2004 Fiscal Year Annual Research Report
眼部悪性腫瘍におけるトランスフォーミング成長因子の重要性とその遺伝子治療への応用
Project/Area Number |
15591873
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
大西 克尚 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (80037473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 由香 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (50264891)
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Keywords | 眼部悪性腫瘍 / トランスフォーミング成長因子 / 遺伝子治療 / 扁平上皮癌 / XPCノックアウトマウス / ソニックヘッジホッグ / シクロパミン |
Research Abstract |
本年度は扁平上皮癌細胞有棘細胞癌の増殖と悪性化(上皮/間葉系移行)に対するトランスフォーミング成長因子ベータ(TGFβ)のシグナルとSonic hedgehog(Shh)の関与をin vivoとin vitroで検討することを目的とした。細胞種によっては、TGFβ2はShhの作用発現に必須であるとの報告がある。また、我々は、角膜上皮創傷治癒過程で上皮が一過性にShhを発現することを以前に報告しており、上皮の増殖とShh発現の関連が示唆されている。 In vivoでは、1)XPCノックアウトマウスの眼部に薬剤誘発腫瘍を作成した。Smad4,TGFβレセプターII型は異型性の強い乳頭腫で減弱し、Shhシグナル、ERK-1,BrdU陽性細胞は増強した。2)ヌードマウスの皮下に有棘細胞癌培養株細胞を移植し腫瘍を作成した。1)および2)で作成した腫瘍にCyclopamineを数回皮下投与した。その結果、Cyclopamine投与で、Shhシグナルが抑制されており、腫瘍の増大は、apoptosisを伴い抑制された。 In vitroでは、有棘細胞癌培養株細胞を用いて、リコンビナントShh添加群およびCyclopamine添加群で、MTTアッセイを用いて細胞増殖能を検討した。リコンビナントShh添加群で細胞増殖が、Cyclopamine添加群で細胞増殖抑制が確認された。 これらの研究結果は、眼部の扁平上皮癌の非外科的治療の可能性を示唆する所見と考察した。
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Research Products
(6 results)