2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本人の白内障病型別発症率と発症・進行予測および危険因子探索
Project/Area Number |
15591880
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Research Institution | KANAZAWA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐々木 洋 金沢医科大学, 医学部, 教授 (60260840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 正美 金沢医科大学, 医学部, 講師 (40183339)
小野 雅司 国立環境研究所, 環境健康研究領域, 室長 (80125228)
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Keywords | 白内障 / 発症率 / 進行率 / 散乱光強度 / コントラスト感度 / 手術受療率 |
Research Abstract |
これまで石川県門前町の50歳以上の一般住民(無作為抽出)を対象に行った第1回の眼疫学調査の対象者1,105名中、本年度終了時点で632名について5年目の2次検診が終了した。5年での発症率は皮質混濁が18.9%、核混濁が3.0%、後嚢下混濁が2.0%で3病型とも加齢に伴い増加した。進行率は皮質混在68.8%、核混濁24.8%、後嚢下25.6%であった。皮質混濁は若年者で進行率が高い傾向があった。5年での手術受療者は全体の8.2%で、混合型での受療率が高く、特に後嚢下混濁を合併する症例では受療率が高かった。研究者らがアイスランド一般住民を対象に行ったReykjavik Eye Studyの結果と比較し、日本人では皮質混濁が多くその進行も早いこと、核混濁はアイスランドに比べ発症率、進行率ともに低いことが明らかになった。本研究により日本人の白内障の特徴および自然経過が明らかになった。 前眼部解析装置と用い水晶体散乱光強度の5年での変化についても検討した。散乱光強度は加齢に伴い上昇するが、年齢によりその上昇パターンが異なることが明になった。皮質深層では50歳代でその増力率が高く、核部の散乱光強度は年齢との相関はなかった。また、核部散乱光強度の低い症例では皮質部散乱光強度の増加率が有意に高かった。本検討結果では散乱光強度測定は皮質および核混濁発症の予測に有用である可能性が示唆された。 昨年に引き続き、副病型のなかのFiber foldsのコントラスト感度への影響を検討した。Fiber foldsは日本人に多く、皮質混濁を高率に合併するがCENがない場合はコントラストへの影響はほとんどないことが明らかになった。細隙灯顕微鏡検査において斜照法ではFiber foldsは皮質混濁と誤診されることもあり、本病型を正しく診断しコントラストを含めた視機能への影響が少ないことを啓蒙する必要がある。
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Research Products
(1 results)