2004 Fiscal Year Annual Research Report
広範小腸切除後の消化管運動機能の回復におよぼすアルギニンの効果
Project/Area Number |
15591884
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
蛇口 達造 秋田大学, 医学部, 助教授 (00124644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 哲夫 秋田大学, 医学部, 教授 (20004963)
吉野 裕顕 秋田大学, 医学部, 助手 (90182807)
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Keywords | 広範小腸切除 / アルギニン / 消化管運動 / テレメータシステム / マイクロダイアリシス / 吸収能 |
Research Abstract |
目的: アルギニンの重要性をin vivoで検討するのに適した我々の短小腸モデルを使い、16年度は残存回腸の運動機能と吸収機能を評価した。 方法: 1)実験群はSD系4週齢雄ラットに近位側90%小腸切除を行い、回盲弁より5cm口側で切離・再吻合したラットを対照とし、各々にアルギニンあるいはグリシンを投与し4群を作成した。 2)消化管運動テレメータシステム用小型送信機(マウス用)を吻合部から肛門側2cmに埋込み、輪状筋の収縮を3週以後経時的に記録し比較検討した。 3)吸収能は術後3週と6週目に、D-xylose50mgを経食道投与し、10時間蓄尿で測定した。 結果: 1)術後3週と6週の回腸収縮運動の12時間絶食による検討では、アルギニン投与群で実験食中止中の1時間毎の収縮波の積分値は小さくなる傾向を認め、グリシン投与群では食事中と差を認めなかった。実験食中止中に出現するMMCに相当すると考えられる大きい収縮運動の収縮運動数と持続時間は、アルギニン投与による差を認めなかった。 2)吸収能は、4週齢、術後3および6週に測定した。アルギニン投与効果は術後3週では4週齢と同様の吸収能を示したが、6週でのさらなる改善は認められなかった。 結論: 90%切除モデルでの吸収能におよぼすアルギニンの効果は3週以後認めなかった。消化管運動におよぼすアルギニン投与効果についてはさらなる検討が必要である。
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