2003 Fiscal Year Annual Research Report
神経芽腫に対するリポソーム封入金属磁性体誘導加熱による熱凝固壊死療法の研究
Project/Area Number |
15591887
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
堀内 淳 愛媛大学, 医学部附属病院, 助手 (10284407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 祐司 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (20210958)
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Keywords | 誘導加熱 / リポソーム |
Research Abstract |
金属磁性体は高周波磁場の中で発熱する。これを誘導加熱といい、電気メス、ラジオ波凝固療法、マイクロウェーブ凝固療法といった誘電加熱とは違い非接触でコイル内で温度上昇を得ることができる。その性質を利用してhyperthermiaより高い温度むしろablationで腫瘍壊死を誘起させるというより低侵襲な治療を我々は目指している。そこで高周波誘導装置の開発、および金属磁性体粒子の開発を行ってきた。比較的温度上昇の優れた材質(マグネシウムフェライト)を使用し、また出力、周波数を可変させ至適の設定を検討してきた。さらに投与法における検討を行うため、今回の研究課題となった。 神経芽腫をマウスの皮下に生着させ、金属磁性体粒子を局部に投与し高周波磁場下において温度上昇および腫瘍凝固壊死を検討した。投与法においては簡便な局注を考えたが、現在のところ市販のマグネシウムフェライトでは凝集と沈殿のため注射針の内部を通過することができず局注が困難であるため、材料について検討した。局注するためには金属粒子がある程度小さく、凝集、沈殿しにくく分散性がよいことが必要である。そこで金属を粉砕および共沈法によって粒子径を小さくし数十ナノサイズとした。局部に長時間停滞させるためにリポソームに包埋し(100nm)分散した状態で投与が可能となった。 ラットの皮下腫瘍モデル(腫瘍は径3cm台)においては500KHz、2KW、30分の印可を二日にわたって施行したところ、赤外線温度計で最大5.8℃の温度上昇を認め60日後に腫瘍は消失した。
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