2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591892
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
池田 均 獨協医科大学, 医学部, 教授 (10326928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石丸 由紀 獨協医科大学, 医学部, 講師 (30233430)
高安 肇 獨協医科大学, 医学部, 講師 (10359614)
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Keywords | 肝芽腫 / 低出生体重児 / 酸化ストレス / 胎児ラット / 遺伝子発現 / AFP |
Research Abstract |
低出生体重児における肝芽腫発生の機序として、酸素暴露による未熟肝細胞または未熟肝幹細胞のDNA酸化障害がその原因であるとする仮説の検証を目的に、胎児ラット肝細胞の初代培養系を用い酸化ストレスが肝細胞分化関連遺伝子の発現に与える影響を検討した。すなわち、胎齢18日から20日までの胎児ラットから採取した肝細胞を初代培養し、肝細胞の分化関連のマーカー遺伝子としてTO、α1AT、albumin、AFPの発現、ならびにCK19、HGF、cMet、HNF4の各遺伝子発現をRT-PCRを用いて検討した。その結果、胎齢18日ラットの肝細胞はHGF産生間質細胞や胆管へ分化した細胞を含まず未分化な肝細胞の性質を保有していると考えられた。したがって同胎齢のラット肝細胞は低出生体重児における未熟肝細胞のモデルになり得ると考え、以下の実験を行った。すなわち、胎児ラット肝細胞初代培養株を低濃度酸素、高濃度酸素、低濃度酸素後に高濃度酸素の各条件下で培養し、α1AT、albumin、AFP、HNF4の各遺伝子発現の変化を観察した。その結果、胎齢18日ラットの培養肝細胞ではAFPの発現が経時的に減少するのに対し、酸化ストレス下ではAFPの発現が高レベルに保持される傾向が窺えた。この結果は酸化ストレスが未分化な肝細胞の分化を抑制しAFPの高発現を維持したか、あるいは直接にAFPの発現を亢進させたものと考えられ、酸化ストレスが未分化な肝細胞の分化に影響を与えること、その結果として最終的に発癌・腫瘍化の原因となり得る可能性を示唆するものと考えられた。
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Research Products
(4 results)