2004 Fiscal Year Annual Research Report
マウス全胚培養への遺伝子導入による四肢形態形成メカニズムの解明
Project/Area Number |
15591905
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
岸 陽子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70257921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 邦弘 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70133387)
内田 満 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (00176695)
渡邊 利明 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50266706)
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Keywords | 遺伝子導入 / マウス全胚培養 / エレクトロポレーション法 |
Research Abstract |
人ゲノムの解読がほぼ完了した現在、次の大きな問題は個々の遺伝子が他の遺伝子とどのように機能相関し、生体の複雑な構造や機能を作り出しているかを知ることである。器官形成は空間、時間的に非常に複雑に制御されている過程であり、既存のコンデイショナルなトランスジェニック技術では大変な労力と時間がかかるため、今回われわれは、試験管内で数日間ほぼ完全にその発生を再現しうる哺乳類全胚培養系を用い、マウス肢芽に遺伝子を導入する方法を確立したことを報告する。 Std-ddtマウス妊娠12目胚を用い、卵黄嚢膜内にVectorとしてRetrovirusによる遺伝子組み込みと発現用にデザインされたベクターにGFPを組み込んだものをマイクロシリンジで0.1μ l注入し、ネッパジーン社製の導入装置を用い、30v、40v、50vの条件で50ms×3パルスで通電した。導入後卵黄嚢膜を胎盤のところまで剥離し、即座にグルコース2mg/mlアンピシリン5μg/mlを加えたマウス血清を37度に保温したものに入れ、95%酸素で5%窒素バランスを行った空気をシリコン栓につけた三方活栓から注入し、栓を閉鎖し、37度に保温してあったサーモブロックローテーターにガラス瓶を挿入し、30rpmで回転させた。1日2回酸素、窒素混合ガスを注入し48時間培養後、凍結切片を作成し、蛍光顕微鏡にて導入状態を観察した。結果は50V、40Vでは胚全体に導入され、30vでは手部の皮下組織までに導入されたことが確認できた。導入不可能な症例はなく、安定した導入法であると考えられた。
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