2003 Fiscal Year Annual Research Report
家兎頭部外傷モデルにおける低温暴露中の腎臓交感神経活動の変化とその機序解明
Project/Area Number |
15591917
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
関 啓輔 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (20226632)
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Keywords | 低体温 / 自律神経活動 / 交感神経活動 / 副交感神経活動 / 調圧神経系 / 循環 |
Research Abstract |
平成15年度の実験: 本年度は日本白色家兎を用い以下のような研究を行った。日本白色家兎を神経温存群と対照群の2群に分け実験を行った。 神経温存群とした日本白色家兎にウレタンを腹腔内投与して麻酔を施した。その後気管切開を施し筋弛緩剤を投与して調節呼吸とした。さらに右の内頚静脈にカニュレーションして中心静脈圧のモニターとした。その後動脈路と静脈路を確保し、動脈路は観血的な体血圧のモニターとし、静脈路は薬剤の投与経路とした。その後さらに右下の側臥位で経後腹膜的に左の腎臓を露出した。そして腎動脈と腎静脈の間にある腎臓交感神経を神経が損傷しないように剥離・露出した。結合織を除き末梢端を切璃した後、専用電極に神経を掛け、腎臓交感神経活動を直接導出した。状態の安定化の後、体表面を冷却して食道温を38から25℃まで、1℃/30分程度の速度で低下させ、その際の血圧、心拍数、中心静脈圧、腎臓交感神経活動を観察記録した。一方、対照群に対しては神経温存群と同様の手術操作を行った上で、体温を37から38℃で保持し、その際の体血圧、心拍数、中心静脈圧、腎臓交感神経活動を観察記録した。 結果は、対照群(常温群)で血圧、心拍数、中心静脈圧、腎臓交感神経活動の変動が無かったのに対し、神経温存群の低温暴露群では体温が低下するにつれ、交感神経活動が賦活しているのもかかわらず、心拍数が低下した。このことから低体温時の心拍数の低下には、交感・副交感神経系双方の賦活が関与していると考えられる。 次年度以降はさらに調圧神経を切離した群を作成して同様の実験を行い、低温暴露時の調圧神経系の調節機序を究明していく予定である。
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