2004 Fiscal Year Annual Research Report
カルシトニン遺伝子関連ペプチドによる敗血症性ショック治療の分子基盤の確立
Project/Area Number |
15591919
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岡嶋 研二 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (60152295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内場 光浩 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (90315292)
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Keywords | カルシトニン遺伝子関連ペプチド / 腫瘍壊死因子 / カプサイシン感受性知覚神経 / プロスタグランディン / 敗血症性ショック / 一酸化窒素 / iNOS / エンドトキシン |
Research Abstract |
エンドトキシンをラットに投与すると、腫瘍壊死因子の上昇とともに、iNOSが誘導され、血圧の低下が認めらる。このエンドトキシンショックの病態下では、カプサイシン感受性知覚神経から放出されるCGRPの上昇も認められる。内因性のこのCGRPがショックの病態形成にどのような関与をしているかを解析するために、カプザゼピン投与で化学的に知覚神経を除神経すると、CGRPの放出が低下するとともに、腫瘍壊死因子の上昇やiNOSの活性上昇が認められ、ショックの病態が悪化する。またCGRPのアンタゴニストであるCGRP8-37の投与によっても腫瘍壊死因子の上昇やiNOSの活性上昇が認められ、ショックの病態は悪化する。一方、CGRPを外から投与するとショックの病態の改善が認められる。これらの結果から、エンドトキシンショックの病態下ではカプサイシン知覚神経から放出されるCGRPがショックの病態を抑制するようにいていると考えられた。このCGRPの作用はインドメタシンを投与することでプロスタサイクリン産生を抑制すると消失することから、プロスタサイクリン産生を介したものであることが推察された。
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