2004 Fiscal Year Annual Research Report
口腔粘膜擦過細胞から色覚異常遺伝子の保因を検定する遺伝子診断法の確立
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15591926
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Research Institution | Tokyo Medical & Dental University |
Principal Investigator |
坂本 啓 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00302886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝部 憲一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (20233760)
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Keywords | 口腔粘膜擦過細胞 / 色覚異常 / 遺伝子診断法 |
Research Abstract |
色覚異常は浸透率の非常に高い遺伝子疾患であり、男性の約5%に見られる。伴性劣性遺伝形式をとるため女性の患者は約0.2%だが、症状の現れない保因者は10%程度にのぼるとされる。女性の保因の有無は遺伝学的に判断できない場合、遺伝子検査以外には方法がなく、妊娠前の女性にとっては遺伝子検査の潜在的なニーズは高い。本研究の目的は、口腔粘膜擦過法によって得られたDNA試料から、色覚異常遺伝子保因者をスクリーニングする遺伝子検査法を確立しすることである。粘膜細胞採取用のブラシを用い、被験者の頬粘膜を擦過し細胞を採取した。通法に従い、genomic DNAを抽出し、このDNAを鋳型にしてPCRを行った。オプシンは5つのエクソンを持つが、5'側PCRプラィマーをエクソン5内に、3'側PCRプライマーを非翻訳領域の特異配列部分に設定した。これにより正常であれば赤色遺伝子、緑色遺伝子の順序で並んでいるはずの配列の異常が検出可能であり、色覚異常の保因者を判定することが可能である。増幅された遺伝子断片のSSCP解析およびシークエンス解析を行い、保因者の判定を行った。申請者の知己や学内のボランティア等から総数30程度の検体を解析した。その結果、本法が保因の有無の判定に有効であることが明らかとなった。しかし、本法で異常の見出せない保因者が2割程度存在し、そのような例に関しては、全エクソンをPCRによって増幅し、シークエンス解析を行い、点突然変異などの異常がみられるかどうか検討する必要があることが示唆された。
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