2004 Fiscal Year Annual Research Report
内軟骨性骨化における血管形成の役割について-大理石骨病マウスを用いた検討-
Project/Area Number |
15591945
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Research Institution | Ohu Unrversity |
Principal Investigator |
山崎 章 奥羽大学, 歯学部, 教授 (60110459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 博司 奥羽大学, 歯学部, 助教授 (20184682)
杉浦 淳子 奥羽大学, 歯学部, 講師 (80316471)
櫻井 裕子 奥羽大学, 歯学部, 助手 (10306087)
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Keywords | 軟骨内骨化 / 骨端軟骨 / 大理石骨病マウス / 破(軟)骨細胞 / 電子顕微鏡 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
本研究課題は軟骨内化骨における軟骨小腔の解放のメカニズムを明らかにすることを目的とした。現在、軟骨小腔の解放は破(軟)骨細胞によるとされている。そこで、実験材料として破骨細胞分化に障害を持つ発育期のop/opマウス脛骨骨端(生後10、20日)を用い、形態学的検索を行った。 組織化学的にop/opマウス脛骨ではTRAP陽性破骨細胞および単核前駆細胞が全く出現しないにもかかわらず骨端軟骨小腔は解放され骨幹端一次海綿骨が形成されていた。電顕的に、骨端-骨幹端境界面の軟骨小腔横隔壁に接して観察される細胞の多くは、血管内皮細胞であったが、時折、隔壁と内皮細胞の間に紡錘形単核細胞が観察された。この単核細胞は、免疫組織化学的に紡錘形DBAレクチン陽性を示したが、抗マクロファージ抗体F4/80には陰性であった。抗MMP-9抗体免疫染色で、この細胞と血管内皮細胞が陽性を示すとともに、骨端軟骨最先端横隔壁骨幹側に陽性反応が観察された。 対照群として観察した正常同腹仔マウスでも同様の所見が観察されたが、DBAレクチン陽性単核細胞の出現はop/opマウスに比べ目立たなかった。電顕的には軟骨小腔の横隔壁に接する破骨細胞は観察されなかった。 生後5日の野生型マウスに、破骨細胞機能阻害剤であるビスホスフォネートを10日間投与し脛骨を観察したところ、骨吸収が阻害され骨硬化症を呈したが、軟骨小腔は解放され、非投与対照群との間で長軸方向の成長に明らかな差異は認められなかった。 以上の所見から、軟骨小腔の解放に関与するのは破骨細胞ではなく、血管内皮細胞もしくは、DBAレクチン陽性単核細胞である可能性がある。
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