2005 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病関連細菌の主要外膜蛋白質の解析とそれらの臨床症状との関連性
Project/Area Number |
15591958
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Research Institution | Aichi-Gakuin University |
Principal Investigator |
村上 幸孝 愛知学院大学, 歯学部, 助教授 (60239506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 文信 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (50001962)
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Keywords | 歯周病関連細菌 / Porphyromonas gingivalis / 主要外膜蛋白質 / 歯周病患者血清 / 連続培養法 / 二次元電気泳動 / 培養条件 / 変異株 |
Research Abstract |
1.歯周病患者血清とP.gingivalis主要外膜蛋白質との反応性 本学の臨床講座と協力して採取した歯周病患者の血清を用いて、P.gingivalisの主要外膜蛋白質に対する抗体産生の状態をウェスタンブロットによって調べた。根尖性歯周炎に罹患した患者の血清は,P.gingivalisに対する免疫反応を高い頻度で示し、なかでも主要外膜蛋白質であるRagB、RgpおよびKgpとの強い免疫反応を示した。臨床所見のうち、打診痛、根尖部透過像の有無が、P.gingivalisに対する免疫反応と相関していた。 2.P.gingivalisの主要外膜蛋白質OmpA-like proteins(Pgm6/7)の外膜構造の安定性への関与 ヘテロ3量体を形成して外膜に存在しているP.gingivalisの主要外膜蛋白質Pgm6/7の役割をさらに追究するために、欠失変異株を用いて形態学的観察を行った。その結果、欠失変異株では親株と比較して多数のvesicle様構造物が菌体外に観察されるとともに、外膜からちぎれ出ているような像も見られた。Pgm6/7が外膜の安定性に関与し、その構造維持に重要な役割を果たしていることが示唆された。 3.連続培養法を用いたP.gingivalisの病原因子の発現に及ぼす培養条件の影響の検討 P.gingivalisの病原因子の発現に及ぼす培養条件の影響を、培養環境の制御が可能な連続培養法を用いて解析した。増殖速度が速くなるにつれて、FimA線毛および75K蛋白質の産生量が著明に増加したが、RgpおよびKgpの産生量と活性は低下した。栄養の乏しい条件では、FimA線毛および75K蛋白質の産生量が減少した。気相を嫌気条件から通気条件へ変化させると、RgpおよびKgpの活性が著明に低下した。酸素ストレスによって明らかに増量する蛋白質スポットの存在を二次元電気泳動法にて確認し、同定を行った。 4.P.gingivalisの主要外膜蛋白質RagAおよびRagBの変異株の作製 P.gingivalisの主要外膜蛋白質RagAおよびRagBの欠失変異株の作製が終了した。現在、作製した変異株の性質の検討を進めている。
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