多光子励起法による唾液分泌シグナル応答のリアルタイムモニタリング

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15591975
• Research Institution: Health Sciences University of Hokkaido
• Principal Investigator: 東城 庸介 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (90111731)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 森田 貴雄 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (20326549) ; 根津 顕弘 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (00305913) ; 谷村 明彦 北海道医療大学, 歯学部, 助教授 (70217149)
• Keywords: 唾液腺 / カルシウムシグナル / カルシウムウエーブ / 多光子励起法 / レーザー顕微鏡 / イノシトール1,4,5-三リン酸 / カルシウムストア / 耳下腺細胞

Research Abstract

唾液腺における水、イオン輸送は主にカルシウム・シグナル系によって調節を受けている。唾液腺細胞を刺激すると、カルシウム・ウエーブやカルシウム・オシレーションなどの複雑なカルシウム応答が惹起される。本研究では、多光子レーザー顕微鏡を使って、唾液腺の組織スライスやin vivo系でカルシウム応答を観察する。平成15年度は、予備実験としてcell aggregatesを用いてカルシウム応答を解析した。
1.アゴニストの段階的濃度増加に伴うカルシウム・ウエーブのイメージング。ラット耳下腺細胞をムスカリン受容体アゴニスト(カルバコール)で刺激した。腺腔膜から基底側へ広がるカルシウム・ウエーブが観察された。カルバコールの濃度を段階的に増加させるとその度に同様のウエーブが観察された。この結果は、唾液腺のカルシウムストアが腺腔側と基底側で連続していること、カルシウムストアは弱い刺激では枯渇しないことを示している。
2.低親和性カルシウムプローブであるMag-fura-2を耳下腺細胞のカルシウムストアに取り込ませ、サポニン処理後、IP_3で刺激し、カルシウムストアの蛍光変化を多光子レーザー顕微鏡で観察した。さらに、腺腔側にレーザーを照射し、フォトブリーチングアッセイを行った。その結果、細胞内カルシウムストアは連続していることが確認された。