2004 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節炎における三叉神経節ニューロンの興奮性に対するパラクリン分泌の役割
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15591980
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
武田 守 日本歯科大学, 歯学部, 助教授 (20227036)
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Keywords | 三叉神経節ニューロン / NK1受容体 / 顎関節炎 / パラクリン / 電気泳動的投与法 / 細胞外記録法 / SubstanceP / アロデニア |
Research Abstract |
前年度、穿孔パッチクランプ法(In-vitro)を用いた解析により得られたデーターをもとにして、In-vivoの条件下において顔面皮膚を支配する大型の三叉神経節(TRG)ニューロン活動が顎関節炎の誘発により、NK1受容体のup-regulationがおこり興奮性の変調が誘発されるか否かをマルチバレル微小電極を用いて解析した。起炎物質(CFA)を同側顎関節に注入し、顎関節炎を誘発させた。一方,溶媒(0.9%NaCl)投与群を対照群とした。炎症群(CFA投与48時間後)ラットのVon Frey hair刺激に対する機械刺激に対する逃避反射の閾値は、対照群に比較して有意に減少することを確認した。顔面皮膚を電気刺激して応じるAβ-TRGユニット放電(NCV:>14m/sec)に対するSubstanceP(SP、1mM)の電気泳動的局所投与の効果について検討した。炎症群(48時間)の自発放電発現率は対照群に比較して有意に増大し、その発火頻度も有意に高い値を示した。CFA投与群で見られた自発放電発火頻度は、SPの受容休拮抗薬(L703,606:1mM))の電気泳動的局所投与により、電流依存性(50-90nA)に抑制された。またこの自発放電発火頻度は、SP(1mM)の電気泳動的局所投与により、電流依存性(10-90nA)に増加し、この効果はNK1受容体拮抗薬より拮抗された。CFA投与群のラットAβ-TRGユニットの機械刺激に対する閾値は、対照群に比較して有意に低下していた。一方、炎症群ラットの大型TRGニューロンのNK1受容体免疫活性を示すニューロンの数は対照群ラットに比較して有意に増加していた これらの結果より、前年度急性分離細胞で確認された結果は、In-vivoの条件下において、少なくとも、顔面皮膚を支配するAβ-三叉神経節ニューロンの興奮性を変調させ、顎関節炎症にアロデニアの一因となることが示唆された。
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Research Products
(1 results)