2004 Fiscal Year Annual Research Report
ウマ歯冠セメント質を用いたセメント質特異的タンパク質の同定
Project/Area Number |
15591983
|
Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
深澤 加與子 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 助教授 (60064698)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐原 紀行 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 助教授 (70064699)
宇田川 信之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
溝口 利英 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助手 (90329475)
奥村 茂樹 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (80350825)
小澤 英浩 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (60018413)
|
Keywords | セメント質 / EDTA可溶 / ウマ歯冠 / I型コラーゲン / プロトカドヘリン |
Research Abstract |
目的:我々は、ウマの歯冠ではセメント質がエナメル質を覆う形で形成され、歯冠全体の70%を占めることを報告した。一方、骨、エナメル質ならびに象牙質には特有のタンパク質が存在することが示されている、そこでセメント質にも特異的タンパク質が存在するものと考え本研究を始めた。 方法:ウマ顎骨ならびにウマ臼歯歯冠を材料とし、0.5M EDTA/トリス酢酸緩衝液で抽出し、EDTA可溶画分を材料とした。二次元電気泳動、ヒドロキシアパタイトカラムクロマト、イミノアフィニティーを行い分画し、アミノ酸組成ならびに部分ペプチドのアミノ酸配列分析をした。 結果:1.EDTA可溶性タンパク質はpI3〜5に分布しておりヒドロキシアパタイトと結合して存在していたことが推定できる。2.SDS-PAGEではシャープなバンドにならない、これはプロテオグリカンが多形化しているためだと推定されたので、ヒドロキシアパタイトクロマト後、SDS-PAGEでさらに分画した。分子量30kDaと35kDaのスポットのタンパク質バンドの抗体を作製し、イミノアフィニティクロマトなどで精製し得られたタンパク質を、エドマン法による分析の結果、I型コラーゲンのN末端のプロコラーゲン部分ならびにプロトカドヘリン18の配列を含んでいた。 考察:この時点でセメント質特有のタンパク質は同定できなかった。線維化されていないコラーゲンI型のN末端部分が石灰化組織に残存することが推定された。また脳細胞に多く存在し分化に関与すると考えられているプロトカドヘリンが象牙質に存在することが推定される。これらの役割に関しては継続的研究が必要である。
|