2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591989
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Research Institution | THE NIPPON DENTAL UNIVERSITY COLLEGE AT NIIGATA |
Principal Investigator |
伊勢村 知子 日本歯科大学新潟短期大学, 教授 (10112963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 祥代 日本歯科大学新潟短期大学, 助手 (30320881)
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Keywords | 唾液 / 高プロリン蛋白質 / P-B / ヒト / ウシ / 歯胚 / 定量PCR |
Research Abstract |
ヒトP-B様物質がウシ歯胚に存在するという報告(1990)に基づき、ウシ歯胚からPCRクローニングによりP-Bc DNAを調製し塩基配列を解析した。ウシ歯胚P-B cDNAの成熟蛋白質領域170塩基、3'非翻訳領域223塩基はヒトP-B cDNAの塩基配列と一致した。この塩基配列情報に基づいて合成したプライマーとウシ各種組織由来cDNAを用いてPCRを行い、泳動後Southern Hybridizationで発現をチェックしたところ調べた全組織(歯胚、顎下腺、耳下腺、腎臓、肝臓、脾臓、膵臓、脳、卵巣、子宮、胃、小腸、大腸、涙腺、副腎、肺、心臓)で発現が認められた。これらのうち、歯胚、顎下腺、腎臓、肝臓、脾臓、脳、卵巣、涙腺、心臓について定量PCR(ABI7700)を行ったところ、歯胚の発現量を100とした場合、心臓280,顎下腺250,腎臓59,肝臓2.6,卵巣1.1,涙腺0.8であった。脳、脾臓については定量不能であった。Southern Hybridizationで全組織で発現がみられることから、P-Bが細砲や組織の生存に基本的な役割を担っている可能性が考えられるが、組織間での発現量の大差の意味については不明である。なお、ウシ歯胚P-B cDNAの塩基配列393塩基は、ヒトP-Bc DNAの塩基配列の該当部分と同一であり、全組織にP-Bが分布しているとの情報が得られたので、ウシの場合と同じプライマー、TaqManプローブの組み合わせを用いてヒト肝癌細胞HepG2由来cDNA,ヒトChan肝細胞(非癌化細胞)由来cDNA,市販ヒト肝cDNA中のP-B cDNA量を比較したところ、HepG2由来cDNA>Chan肝細胞由来cDNA>市販ヒトcDNAという結果を得た。P-Bの発現が細胞の分化や癌化と関わっている可能性も否定できない。
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