2004 Fiscal Year Annual Research Report
siRNAを用いたヒトパピローマウイルス関連腫瘍の遺伝子標的治療の基礎研究
Project/Area Number |
15591991
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大和 建嗣 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (50174751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 健人 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (60230463)
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Keywords | siRNA / HPV / E6 / p53 / Rb |
Research Abstract |
ヒトパピローマウイルス16型(HPV16)および18型(HPV18)は、子宮頚癌や一部の口腔癌の原因である。これらのウイルスの有するE6およびE7癌遺伝子の発現は、癌化とその維持に必須であることから、理想的な遺伝子標的治療の候補である。最近、21塩基の2本鎖RNA (siRNA)をほ乳類細胞に導入することにより、この配列に相補的なmRNAを特異的に分解し発現抑制することが可能になった。我々は、E6 siRNAをHPV関連腫瘍に導入することによってE6およびE7発現を抑制するとともに腫瘍細胞の増殖も抑制することを明らかにし,siRNAをこれらの癌の治療に応用できることを示唆した。 平成16年度の研究では,より高いRNAi活性を有するsiRNA配列を見いだす目的でE6コード領域中全てのE6E7 mRNAの共通部分(123塩基)からランダムに選んだ12種類のHPV16 E6 siRNAを合成した。12siRNA中4siRNAは100nMでE6およびE7の発現を抑制し,p53発現レベル増加とRbの低リン酸化を誘導した。しかし,20nM以下ではRNAi活性は見られなかった。この4siRNAのうち2つについてtRNAプロモーターを利用したshRNA発現ベクターを作成したが,RNAi活性は得られなかった。同じ2つのsiRNA配列について2つのタンデムU6プロモーターによりセンスおよびアンチセンス鎖を独立して発現させるベクターを作成し,1つについてRNAi活性が得られた。siRNA設計に関してランダムな配列の選択ではRNAi活性の高いsiRNAは得られないことが明らかとなった。最近,アンチセンス鎖を効率良くRISC複合体に組み込ませるようなsiRNA配列を設計するアルゴリズムの開発グループとともに強力なRNAi活性をもつsiRNAの合成と効率のよい導入法について検討中である。
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