2003 Fiscal Year Annual Research Report
放射線照射により誘導される新しい蛋白質(p28^<nrp>)の同定とその役割
Project/Area Number |
15591999
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
佛坂 由可 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (10244089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 茂樹 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20300882)
角 忠輝 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (80284701)
片山 郁夫 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (80295089)
中村 卓 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30172406)
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Keywords | p28^<nrp>蛋白質 / 電離放射線 / DNA障害 / 白血病細胞 / p54^<nrb>蛋白質 |
Research Abstract |
放射線が細胞に照射されDNA障害が起こると、細胞は細胞周期を止めてDNA修復を行う。しかし、それがうまく奏功しなかったとき細胞は死を選ぶ。最近、我々はX線照射後、細胞核に選択的に発現上昇してくる新しい蛋白質(28kDa蛋白質)を見つけた。この蛋白質のアミノ酸配列はp54^<nrb> (nuclear RNA-binding Protein)のN末部分と同一であることが判明した。p54^<nrb>の働き、およびp28^<nrp> (nrb-related protein)がDNA障害時に核に選択的に発現してくる事から、p28^<nrp>はDNA転写及び修復に関与している蛋白質に結合してその働きを制御している可能性が高いと思われた。本研究では、p28^<nrp>蛋白質の同定を進めて、放射線により惹起されたDNA障害並びにその修復過程においてこの蛋白質がどのような役割を果たしているかを検討する事を目標に置いた。 平成15年度は、(1)LC-MS/MS分析によりp28^<nrp>蛋白質を同定した。すると、p28^<nrp>蛋白質はp54^<nrb>のN末部分であることが分かった。さらに、同定した蛋白質の確認のため、p54^<nrb>のN末部分のエピトープを認識するペプチド抗体を作製し、Western blottingにて確認したところ、p28^<nrp>蛋白質はp54^<nrb>の切断されたN末部分であることが分かった。 (2)ヒト白血病細胞株U937、HL-60にDNA障害を引き起こす電離放射線および抗腫瘍薬等の化学療法剤を投与し、核と細胞質とに分離した後、Western blottingにて蛋白質発現の変化を解析した。すると、p54^<nrb>は切断されp28^<nrp>が核に発現してくることが分かった。 今後、遺伝子導入などの方法を用いて、放射線により惹起されたDNA障害におけるp28^<nrp>の役割の解明を進めていく予定である。
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