2004 Fiscal Year Annual Research Report
抗癌剤耐性を示す難治性口腔扁平上皮癌に対する治療戦略
Project/Area Number |
15592003
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
水口 純一郎 東京医科大学, 医学部, 教授 (20150188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
善本 隆之 東京医科大学, 医学部, 助教授 (80202406)
高田 栄子 東京医科大学, 医学部, 講師 (50110903)
千葉 博茂 東京医科大学, 医学部, 教授 (80105478)
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Keywords | 化学療法剤抵抗性 / 口腔扁平上皮癌 / 新規治療法 / アポトーシス / Bcl2ファミリータンパク質 / TRAIL |
Research Abstract |
口腔扁平上皮癌を初めとする頭頸部扁平上皮癌に対してシスプラチン誘導体であるカルポプラチン(CBDCA)を中心とし化学療法剤が使用され、ある程度の臨床的な効果が得られているが、依然として抵抗性を示す症例もあり、新規治療法の開発が望まれている。TNF-related apoptosis-inducing ligand (TRAIL)は正常細胞にはなんら影響を与えないが、腫瘍細胞に対して細胞障害性を示すことから、抗腫瘍薬として注目されている。Bcl-xL高発現口腔扁平上皮癌細胞細胞は化学療法剤およびTRAILに対して抵抗性を示すが、あらかじめ化学療法剤を前処理しておくと、TRAIL感受性となることを明らかにしてきた。今回、その作用機序として、化学療法剤がプロテアソーム系を介してcellular FLICE-inhibitory proteins (cFLIP)の崩壊を誘導し、TRAIL活性化を促進していることが明らかとなった。cFLIPはTRAIL誘導性カスパーゼ8活性化を負に制御している分子である。また、腫瘍細胞で選択的に作用するとみなされているhuman telomerase reverse transcriptase (hTERT)プロモーターを用いて、N末端切断型Bax-αを腫瘍細胞に選択的に発現させると、Bcl-xL高発現悪性腫瘍株にも細胞障害性を示した。以上より、hTERTプロモーターを用いたN末端切断型Bax-αは抗癌剤抵抗性を示す難治性悪性腫瘍に対して有効であることが示された。
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Research Products
(6 results)