2004 Fiscal Year Annual Research Report
頸部腫脹リンパ節超音波画像を利用した診断所見の定量化に関する基礎的研究
Project/Area Number |
15592012
|
Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
三輪 邦弘 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (10136509)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香川 豊宏 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (00258592)
瀬々 良介 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (70196989)
湯浅 賢治 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (40136510)
徳森 謙二 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (40253463)
清水 真弓 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (50253464)
|
Keywords | 複雑度 / 定量化 / 転移リンパ節 / 超音波像 / 組織性状診断 / リンパ節炎 |
Research Abstract |
【目的】頸部腫脹リンパ節超音波像(Bモード像)の内部構築を2次元定量パラメータである複雑度を用いて解析し、画像の主観的読像所見と複雑度曲線の形状特徴を比較検討する。 【対象】口腔癌(扁平上皮癌)と診断され頸部転移リンパ節を認めた症例と多発性に頚部リンパ節腫脹を認めリンパ節炎と診断された症例のうち内部構築が特異的な超音波像を呈した症例。 【装置】探触子中心周波数12MHzのリニア走査型超音波診断装置Sequoia512(シーメンス社製)を使用し、走査条件はすべて固定した。 【方法】1,腫脹リンパ節超音波像のDICOM画像をパーソナルコンピュータに取込み、最大断層域に可及的に最大となる任意のROI(関心領域)を設定した。2,超音波卵形均一散乱体ファントムを利用してROI内の画像(256階調)の階調を半減しながら、各階調層で像を再構成した。3,複雑度公式を変換した式を用いて再構成像と元画像の複雑度曲線を作成して、元画像とほぼ同等の画素構築が得られる階調層を求めた。3,検査者が異なる場合や期間を経た同一検査者による場合などによるマニュアル走査リンパ節超音波像の内部性状の主観的読像所見を2で得られた画素構築が反映される最も少ない階調層の複雑度曲線と比較した。4,画像に対する主観的認識と複雑度曲線の変化パターンとの関連した特徴を見いだした。 【結果】1,検査対象部の走査環境変化(探触子による圧迫や被験者の体位など)による画像の読像所見はほぼ変わらないが、複雑度曲線にも変化を認めなかった。2,検査者間でほぼ一致する所見を示す像の複雑度曲線はほぼ一致した。3,経過観察期間中に内部性状の読像所見が変化するリンパ節像の複雑度曲線は特徴的な変化を示した。 【まとめ】1,腫脹リンパ節超音波像に適用した複雑度曲線の変化は主観的読像所見に対応した。2,複雑度曲線はリンパ節の内部性状の特徴的な病態構築像を反映する可能性が示唆された。
|