2005 Fiscal Year Annual Research Report
簡略化ステップ型接着システムの臨床的スミア層を有する歯面への短・長期的接着性能
Project/Area Number |
15592013
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
井上 哲 北海道大学, 病院, 講師 (80184745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 享 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90179771)
池田 考績 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90222885)
吉田 靖弘 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (90281162)
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Keywords | 簡略化ステップ型接着システム / 臨床的スミア層 / 機能性モノマー / 微小引張り接着強さ / サーマルサイクリング / 透過型電子顕微鏡 |
Research Abstract |
本年度は、簡略化ステップ型接着システムのうち、とくに最近臨床での使用頻度が増加している3種の1ステップ型接着システムの象牙質に対する短・長期的接着性能に関する研究を主に行った。 1ステップ型接着システムのClearfil S^3 Bond (S3,Kuraray),G-Bond (GB,GC),Absolute (AB,Dentsply/Sankin)について100000回サーマルサイクリング試験前後の接着強さを測定したところ、S3は37%(31.9MPaから20.2MPaへ)減少し、ABは55%(29.9MPaから13.6MPaへ)、G-Bondは82%(29.9MPaから5.4MPaへ)減少した。 接着初期の象牙質界面をTEM観察したところ、S3とGBでは幅約数百nmのナノ相互作用層(NIZ)型であり、象牙質表層の脱灰が弱い界面であった。特にGBでは界面に層分離が認められ、接着処理時に強いエアブローが必要であるため術式感受性が高いことが示唆された。ABでは、接着材のpHが低いため、幅約2μmのいわゆるハイブリッド層形成型の界面を示した。 100000回サーマルサイクリング試験後の接着界面は、S^3とABでは初期と同様のTEM像を示した。一方、GBでは超薄切片作製時に多くの試料が界面で破壊し、十分なTEM観察ができなかったが、一部界面の劣化を示す像が観察された。 以上の結果より、1ステップ型接着システムでは、材料によりサーマルサイクリングの影響の程度は異なるものの、何らかの変化(劣化)が象牙質接着界面に起こっていることが示唆された。
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Research Products
(3 results)