2003 Fiscal Year Annual Research Report
エイズおよびウイルス肝炎患者の歯科治療における院内感染防止対策に関する研究
Project/Area Number |
15592016
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安倍 敏 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10222647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 政嗣 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (70312593)
遠藤 達雄 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (20168826)
小松 正志 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10005069)
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Keywords | 院内感染 / エイズ / ウイルス肝炎 / 歯科治療 / 消毒 / 印象 / オートクレーブ / 殺菌 |
Research Abstract |
印象採得に使用される印象や模型には血液および唾液などの付着が避けられないことから、院内感染の危険性が指摘されている。本研究では、その感染防止対策として、印象の薬液消毒およびオートクレーブ処理が、模型精度に及ぼす影響について検討した。 1.模型の膨縮変化量の測定 原型には、側壁のテーパーが1/10の内・外適合子を有する内外側対照測定器を用いた。印象材は親水性付加重合型シリコーン印象材、縮重合型シリコーン印象材、寒天印象材およびアルジネート印象材を用いて原型の印象採得を行った。直ちに印象を薬液消毒(酸性電解水、グルタルアルデヒド、エタノール)およびオートクレーブ処理した後、石膏模型を製作した。この模型に内・外適合子を装して浮き沈み量を測定し、原型に対する模型の膨縮変化量(%)を求めた。その結果、模型の膨縮変化量は親水性付加重合型シリコーン印象材が、いずれの処理方法においても、他の印象材と比較して良好な寸法安定性を示した。 2.鋳造体の適合精度の測定 左側上顎第一大臼歯MOのエポキシレジン製窩洞形成模型を歯列模型に植立し、シリコーン印象材による積層2回印象法、あるいは寒天-アルジネート連合印象法により印象採得した。次に、薬液消毒およびオートクレーブ処理後・通法に従いインレーを作成した。鋳造体はリン酸亜鉛セメントを用いて人工歯に合着後・近遠心方向に半截し、セメント厚さを測定した。その結果、無処理群と比較して薬液消毒あるいはオートクレーブ処理により有意にセメント厚さの増加を認めた部位も存在した。しかし、大部分のセメント層が数十μm以下であり、臨床的には問題なく、いずれの場合も優れた適合性が得られるものと考えられる。
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