2004 Fiscal Year Annual Research Report
エイズおよびウイルス肝炎患者の歯科治療における院内感染防止対策に関する研究
Project/Area Number |
15592016
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安倍 敏 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10222647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 正志 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10005069)
遠藤 達雄 東北大学, 病院・講師 (20168826)
平田 政嗣 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (70312593)
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Keywords | 院内感染 / 機能水 / 酸性電解水 / 歯科治療 / 消毒 / エイズ / 有効塩基濃度 / 電解槽 |
Research Abstract |
殺菌消毒剤として酸性電解水が使用されている。しかし、この水の欠点として、生成直後より、短期間のうちに殺菌作用が消失してしまうことが知られている。そのため、本研究では無隔膜電解槽を用いた生成器を試作し、本機で生成された酸性電解水の保存性と殺菌機能について検討した。 1.酸性電解水の保存性 試作生成器から得た電解水(有効塩素濃度200ppm、pH9.0、酸化還元電位760mV)を容器内に密栓保存し、経時的に有効塩素濃度を測定した。その結果、pH9.0の電解水の有効塩素濃度は、従来から用いられているpH2.5のそれに比べ、低減速度は明らかに小さく、保存性に優れていた。 2.殺菌効果 試作生成器から生成された電解水を希釈して有効塩素濃度を20あるいは50ppmとし、さらに塩酸を添加してpH2.5に調製して処理液とした。供試細菌(Staphylococcus aureus、Candida albicansおよびBacillus subtilis)を1、10および20分間処理して、菌の増殖を観察した。その結果、S.aureusおよびC.albicansに対しては塩素濃度20ppmの場合に1分以内で全ての菌が死滅した。芽胞を形成するB.subtilisに対しては塩素濃度50ppm、10分間の処理条件で全てを殺菌した。この結果は、従来から使用されている隔膜を有する電解槽で生成された酸性電解水の殺菌力と同等であった。 無隔膜電解槽を用いることにより、従来の電解水と同等の殺菌効果を維持しながら、長期に保存が可能な酸性電解水の使用が可能になると考えられる。
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Research Products
(2 results)