2003 Fiscal Year Annual Research Report
細菌バイオフィルムに対する歯科用レーザーの排除・抑制効果に関する基礎的研究
Project/Area Number |
15592019
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野杁 由一郎 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50218286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恵比須 繁之 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50116000)
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Keywords | 細菌バイオフイルム / Er-YAGレーザー / Modified Robbins Device / APT / プラーク細菌 / Porphyromonas gingivalis / 抗菌剤 |
Research Abstract |
本研究では,新たなバイオフィルム抑制・排除療法として歯科用レーザーに着目し,本年度はレーザーのグラム陽性のバイオフィルム細菌に対する殺菌効果を形態学的及び細菌学的に検索することを目的とした. 研究実施計画に従って,Enterococcus faecalis, Lactobacillus casei, Streptococcus mutansを供試細菌として,Modified Robbins Device(MRD)を用いてヒドロキシアパタイト(HA)ディスク上に各々の細菌種のバイオフィルムを形成した.各HAディスク上のバイオフィルムに対しEr-YAGレーザーを照射(30-60mJ,10s,10pps)し,得られたサンプルを走査型電子顕微鏡とATPアナライザーにて検索した.その結果,いずれの細菌種においても形態学的にはバイオフィルムの剥離が観察され,個々のバイオフィルムにおいて菌体の変形がみられた.ATP量においても,全ての細菌種においてコントロール群に比べて減少傾向がみられ,バイオフィルム内の生菌数が減少しているものと推察された.現在,バイオフィルム抑制に有効な照射条件をさらに詳細に検討するとともに,グラム陰性細菌種に対する検索を行っている. 一方,MRDで形成したPorphyromonas gingivalisバイオフィルムに対し,3種類の抗菌剤を作用させ,抗菌効果をATP測定法により検討した.3種の抗菌剤,グルコン酸クロルヘキシジン,ミノサイクリン塩酸塩,メトロニダゾールのうち,クロルヘキシジン作用時には1日後にATP量が約1/1,000まで減少し,その後も7日目まで持続的に減少した.しかしながら,ミノサイクリンとメトロニダゾールのATP量の変化は7日後で約1/2であった.これらより,浮遊系のP.gingivalisには抗菌効果を有するミノサイクリンやメトロニダゾールも,P.gingivalisバイオフィルムに対しては著明な抗菌効果を発揮しないことが明らかとなった.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 野杁由一郎: "口腔バイオフィルム徹底攻略 第1回口腔バイオフィルム総説-口腔バイオフィルムの実態と制御への緒-"歯科衛生士. 27・7. 40-46 (2003)
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[Publications] Noiri Y.et al.: "Effects of chrolhexidine, minocycline, and metronidazole on Porphyromonas gingivalis strain 381 in biofilms"Journal of periodontology. 74・11. 1647-1651 (2003)
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[Publications] 野杁由一郎: "口腔バイオフィルム徹底攻略 第5回特殊なバイオフィルムとそのコントロール"歯科衛生士. 27・11. 48-53 (2003)
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[Publications] 野杁由一郎: "口腔バイオフィルム徹底攻略 第6回症例にみる着眼点とバイオフィルムへのアプローチの実際"歯科衛生士. 27・12. 38-43 (2003)