2003 Fiscal Year Annual Research Report
新素材Mineral Trioxide Aggregate(MTA)の基礎的研とくに本材が歯髄,歯周組織細胞の動態に与える影響について
Project/Area Number |
15592031
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小木曽 文内 日本大学, 歯学部, 助教授 (70147643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 孝 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (20125008)
林 誠 日本大学, 歯学部, 助手 (00301557)
武市 収 日本大学, 歯学部, 助手 (10277460)
松坂 賢一 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (70266568)
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Keywords | MTA / 硬組織形成能 / ラット頭蓋骨モデル / 病理組織学的検討 / 免疫組織化学的検討 |
Research Abstract |
新素材MTA(Mineral Trioxide Aggregate)は硬組織形成能を有する生体材料として注目されている。現在までに報告された臨床的研究から臨床的有用性は高く評価されているが,硬組織形成能の本質についての基礎的検討はなされていない。研究代表者らは本材の硬組織形成能の実体を解明するために実験動物(ラット)によるin vivo的研究と培養細胞系によるin vitro的研究の両面から本材に対する生体側の反応を基礎的に検討し,硬組織形成の様相の一端を明らかにすることを起案した。平成15年度はin vivo的研究に主眼をおき,ラット頭蓋骨実験モデルを応用して本材が新生硬組織の形成に与える影響について病理組織学的および免疫組織化学的な検討を加え,その研究成果を別紙記載の学術雑誌に投稿した。病理組織学的な観察ではMTAは硬組織形成を促進することが明らかにされた。また,その硬組織形成の様相について免疫組織化学的に観察したところ,MTA応用群では新生硬組織および既存骨組織周辺に骨芽細胞転写因子のCbfa-1陽性細胞が多数観察されたのに対して,対照薬剤のIRM(IRM:酸化亜鉛ユージノール系薬剤)応用群では新生硬組織の形成は観察されず、Cbfa-1陽性細胞も僅かで既存骨組織に観察されるのみであった。現在,本研究成果をもとにラット骨髄幹細胞を用いた細胞培養実験を企画し,SEMおよびTEMによる形態学的検討に加えて,MTAが骨性タンパク産生等の細胞機能に与える影響についてRT-PCR, Western blooting法などを用いた生化学的検討も開始しており,今後,本材の細胞レベルでの影響について詳細に検討を加えるつもりである。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 中山 敦, 小木會文内, 松坂賢一, 井上 孝 他3名: "ラットにおけるMTAの硬組織形成能に関する基礎的研究"日本歯科保存学雑誌. 第46巻第3号. 349-354 (2003)