2003 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄線維芽細胞における炎症性メディエーターの役割と調節機構について
Project/Area Number |
15592034
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
橋爪 英城 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (10256894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 潔 日本大学, 松戸歯学部, 助教授 (00157306)
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Keywords | 歯髄線維芽細胞 / Plasminogen activator / IL-1 |
Research Abstract |
1.歯髄線維芽(HDP)細胞の培養 矯正学的目的(病的原因以外)によって抜去された歯から歯髄を摘出し、Somermamらの方法によって培養シャーレに静置し、アウトグロースした細胞をHDP細胞とした。尚、HDP細胞の扱いについては、本学倫理委員会より本学部で定めた倫理に関する指針に沿って行っている。また実験計画はあらかじめ被検者に説明し、同意を受けた後に行っている。現在、2名の被検者より得た歯髄を培養、5代まで継代した細胞を凍結保存し随時実験に用いている。 2.Plasminogen Activator (PA)活性の測定 本実験ではHDP細胞の炎症のメディエーターとしてタンパク溶解に関与するコラゲナーゼであるplasminに注目した。PlasminはPAによってplasminogenからconvertされることから、本実験ではPA活性の変化をプラスミン産生の指標として測定した。測定はPfeilschifterらの方法を用い、HDP細胞で生成・分泌されるt(tissue-type)-PA活性を測定した。 3.細胞内および細胞外PA活性の測定 継代数5〜10代までのHDP細胞をヒトIL-1で24時間刺激した後、cell lysateおよび培養液をそれぞれサンプルとしてPA活性を測定した。その結果、細胞外すなわち培養液中に分泌されたPA活性に比較して、細胞内(cell lysate)のPA活性の方が高いことが明らかになった。従来t-PAは分泌型としての機能が報告されているが、現在までの申請者らの検索では細胞内外の差について、明らかな知見を得るには至っていない。本件に関してはさらに研究を続けると同時に、今後は各種サイトカインやプロスタノイドによるHDP細胞刺激で起こるPA活性の変化も検索予定である。
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