2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15592072
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小林 喜平 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (90050046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 浩史 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (10349970)
岡崎 義光 独立行政法人産業技術総合研究所, つくば東事業所・人間福祉医工学研究部門, 主任研究員 (70344439)
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Keywords | インプラント / チタン合金 / 骨 / マイクロCT / コーティング / ウサギ / 病理組織 / 歯科 |
Research Abstract |
臨床において広く用いられているTi-6Al-4V合金を対照として,生体用チタン合金として期待されるTi-15Zr-4Nb-4Ta合金について,表面処理の違いと骨インプラント問の骨結合強度との関係を明らかにすることを目的に,両合金をウサギ大腿骨に埋入し,4,8,16,24および48週において引き抜き試験を行った後、インプラント周囲の新生骨についてマイクロCTによる骨梁観察を行い,以下の結果を得た。 1.引き抜き曲線の記録および骨結合強度の測定 引き抜き曲線は,同一表面処理を行ったTi-6Al-4VおよびTi-15Zr-4Nb-4Ta合金インプラント間で同様な曲線が記録された。骨結合強度は表面処理が同一の場合,両者に有意の差を認めず,4週から24週にかけて直線的に増加し,24週以降わずかな減少傾向を示した。また,ブラスト処理の骨結合強度は,機械加工処理を行ったものに比べ,有意に高い値を示した。このことからブラスト処理が骨結合強度に関して有利に働くことが示唆された。 2,マイクロCTによる骨梁観察の試み 骨梁構造は,同一表面処理を行った両インプラント間で同様の像が観察された。また,ブラスト処理された両合金インプラントは,機械加工処理されたものと比べ,新生骨の形成量が多く,より複雑な骨梁構造が観察され、各合金インプラントにおける骨結合強度の測定結果の裏付けとなることが示唆された。 以上のことから,ブラスト処理されたTi-15Zr-4Nb-4Ta合金インプラントは,埋入後4週から48週においてTi-6Al-4V合金インプラントと同等の骨結合強度を示し,生体用チタン合金インプラントとして臨床応用への可能性が示唆された。また,高分解能を有するマイクロCTは,試料を破壊することなく骨梁の三次元構造をリアルに表現できる有用な方法のひとつであると考えられ、今後の利用が期待される。
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Research Products
(2 results)