2003 Fiscal Year Annual Research Report
トレシルクロリドを利用した生理活性物質固定化チタンの開発
Project/Area Number |
15592073
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
早川 徹 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (40172994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉成 正雄 東京歯科大学, 医学部, 助教授 (10085839)
長井 恵 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (30343578)
山本 正文 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (80210558)
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Keywords | チタン / 細胞接着タンパク質 / トレシルクロリド / 骨 / 表面改質 / 歯科用インプラント / フィブロネクチン |
Research Abstract |
本研究では、歯科用チタンインプラントの骨適合性および上皮付着性向上のために、チタンインプラント表面に細胞接着タンパク質を固定化する手法を確立する。すなわち、チタン表面の酸化状態およびトレシルクロリドとの反応温度の違いが、トレシルクロリドとチタンとの反応およびトレシル化チタンとタンパク質とのカップリング反応に与える影響についてX線光電子分光(XPS)を用いて検討した。 チタン表面は、鏡面研磨、鏡面研磨後H_2O_2/リン酸緩衝液(PBS)処理、および鏡面研磨後H_2O_2/NaOH混合水溶液処理の3条件とした。これらのチタン表面とトレシルクロリドとの反応を37℃または70℃で2日間行った。XPSにてトレシルクロリドのF1原子の強度を測定することによって反応性を比較したところ、いずれの処理でも37℃で反応させた場合が、70℃で反応させた場合よりもトレシルクロリドとの反応性が向上することが判明した。また、チタンの表面処理としてはH_2O_2/PBS溶液処理が最も反応性が高かった。これは、H_2O_2処理によってチタン表面が酸化され、その結果、塩基性水酸基の反応性が増したためと思われた。 次にトレシルクロリド処理した各チタン表面とフィブロネクチンとの反応を行ったところ、いずれのチタン表面処理でも効率よくフィブロネクチンが固定化されていることが分かった。タンパク質の固定化にチタンの表面状態の違いはほとんど影響しなかった。 水晶発振子マイクロバランス法によってフィブロネクチンの吸着を定量的に評価したところ、トレシルクロリド法がチタンのタンパク質固定に有効であることが判明した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tohru Hayakawa: "X-ray photoelectron spectroscopic studies of the reactivity of basic terminal OH of titanium towards tresyl chloride and fibronectin"Biomedical Research. 24・5. 223-230 (2003)
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[Publications] Tohru Hayakawa: "Characterization and protein-adsorption behavior of deposited organic thin film onto titanium by plasma polymerization with hexamethyldisilxane"Biomaterials. 25・1. 119-127 (2004)
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[Publications] Tadao Fukushima: "Intercalation behavior and tensile strength of DNA-lipid films for the dental application"Biomaterials. in press.