2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15592075
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
宮坂 平 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (40147773)
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Keywords | 光触媒 / 酸化チタン / 抗菌性 / コンポジットレジン / 機械的性質 |
Research Abstract |
2次う蝕の防止という観点からコンポジットレジンへの抗菌効果の付与を目的として、酸化チタン光触媒をコンポジットレジンに適用するための研究を行った。この抗菌性を確認するための基礎研究として、酸化チタン光触媒である、酸化チタン単体(テイカ(株))として結晶子径が6〜180nm、比表面積280〜9m^2/gのものについて、酸化チタンにハイドロキシアパタイトを添加し対電極物質を混合した光触媒(信州セラミック製)と共に、大腸菌(e.coli、O-124)を用いた培養実験により、これらの光触媒を寒天培地上に置いたときの菌阻止帯の発現の有無、阻止帯幅などから抗菌作用を評価し、熱(37℃)、光照射による抗菌作用について照度を変化させたときの抗菌性の強度の変化を調べた。この結果、酸化チタン単体のものがハイドロキシアパタイト添加のものより抗菌性に優れていることが明らかとなった。これらの酸化チタン単体を用いコンポジットレジンの試作を行った。bis-GMA+TEGDMAからなる混合モノマーとカンファーキノンを光重合開始剤とし、フィラーに平均粒径2μmの溶融石英粉末および50nmのマイクロフィラーを7:3の重量比で混合し、表面をシラン処理したハイブリッドフィラーを作製した。このフィラーに混合比率を変化させて酸化チタンを添加した混合フィラーを数種類作製し、この混合フィラーを70wt%含む光重合型コンポジットレジンを作製した。この試作コンポジットレジンの抗菌効果を検証するため、大腸菌(e.coli、O-124)を用いた培養実験により、これらのコンポジットレジンによる菌阻止帯幅などから抗菌作用を評価した結果、コンポジットレジン化した場合には、酸化チタン単独の場合に比べて抗菌性は低下するが、十分に有効な抗菌性を示した。今後、光重合させた試作コンポジットレジンの硬化体について、曲げ強さ、間接引張強さ、圧縮強さなどを測定し、酸化チタン混合による物性への影響を評価する予定である。
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