2004 Fiscal Year Annual Research Report
メガフィラーを用いた新しいレジン支台築造システムの構築
Project/Area Number |
15592081
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
平林 茂 鶴見大学, 歯学部, 講師 (30121130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪田 有史 鶴見大学, 歯学部, 助手 (30267538)
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Keywords | レジン支台築造 / 辺縁漏洩 / 重合収縮 / 接着 |
Research Abstract |
直接法レジン支台築造におけるレジンの重合収縮応力の軽減とコアの補強を目的として,メガフィラーを充填する新しい支台築造法を提案した。今年度は,レジンの重合収縮応力および歯質とレジンの熱膨張係数の差に起因する熱収縮応力の軽減効果を立証するために,牛歯歯根に形成した窩洞にレジン築造し,サーマルサイクル試験によりその封鎖性を評価した。 髄腔をレジンで封鎖した牛歯歯根に直径5mm,深さ5mmの窩洞(窩底部は半円球状)を形成し,2回積層法により直接レジン充填を行った。歯質接着システムとして,セルフエッチングプライマーシステムとワンステップシステムを比較した。メガフィラーとして,粒径4mmのシラン処理したアルミナボール(Al_2O_393%/SiO_27%)とMDP処理したステンレス製ボール(SUS304)を使用した。コア材として光重合型を使用したが,メガフィラーを充填する際に窩底部の重合を考慮してフィラーを半分挿入した時点で一度光照射が必要なため,2回積層法を用いた。光照射は600mW/mm^2の光照射器を使用して,各層に対して40秒とした。試料は,染料を溶かした4℃冷水および55℃温水中に1分間ずつ交互に浸漬する熱ストレスを5,000回負荷した後,半分に切断し,その窩洞周囲の漏洩状況を評価した。 コントロール群では,2回積層法を行ったにも拘わらず窩底部に近い象牙質との境界部にギャップを認める試料が認められた。その割合は接着力の低いワンステップシステムを使用した場合に顕著であった。一方メガフィラー充填群では,いずれのフィラー,また,いずれの歯質接着システムを使用した場合もギャップの形成はほとんど認められなかった。これらの結果から,メガフィラーを使用することによりレジンの重合収縮,熱収縮応力が軽減され,直接法レジン支台築造の封鎖性,接着耐久性が向上することが示唆された。
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