2003 Fiscal Year Annual Research Report
肥大軟骨の血管・骨誘導メカニズムの分子生物学的解明と治療応用に関する研究
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15592097
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森 良之 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70251296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻原 祐二 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (20345226)
鄭 雄一 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (30345053)
高戸 毅 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90171454)
引地 尚子 東京大学, 保健センター, 講師 (50292876)
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Keywords | 軟骨 / 肥大分化 / 血管新生 / 分化誘導 |
Research Abstract |
1.骨髄間葉系幹細胞の分離し軟骨に効率的に分化させる技術を確立する。 軟骨に分化した細胞に特異的にクラゲ発光蛋白を発現するトランスジェニックマウス(既に樹立済み)から、骨髄間葉系幹細胞を分離した。この細胞を用いて、既存の軟骨プロトコルを基本にして、蛍光を指標にしながら軟骨分化誘導能をもつ遺伝子の導入を行い分化条件を最適化した。導入する遺伝子の候補としては、軟骨分化への関与が指摘されているIRS、FGF、Hh、Soxなどを選び、それらを発現するアデノウイルスを作成し、骨髄間葉系幹細胞に感染させた。その結果、Sox遺伝子の導入によって、分化の速度と効率が飛躍的に上昇することが判った。このようにして分化した細胞は、軟骨特異的遺伝子(II、IX、XI型コラーゲン、アグリカン、コンドロモジュリン等)をRT-PCRで発現し、II型コラーゲンの免疫組織染色、トルイジンブルー染色による軟骨基質染色が陽性であった。 2.肥大軟骨を誘導する技術を確立する。 軟骨の肥大分化を制御するシグナルはとしてよく知られているPTHrPシグナル(抑制的)、Runxシグナル(促進的)、Wntシグナル(抑制促進の両方報告あり)の、それぞれアゴニストとアンタゴニスト、遺伝子(野生型および抑制型変異体を発現するアデノウイルス)、遺伝子(活性型および抑制型変異体を発現するアデノウイルス)を上記のように軟骨分化を誘導したマウス骨髄間様系幹細胞、C3H10T1/2などの間葉系細胞株、軟骨プライマリーカルチャーに添加して肥大分化への影響を調べたところ、特にWntシグナルベータカテニン経路の刺激で肥大分化が著明に促進された、分化を刺激した上記各種軟骨系細胞は、RT-PCR、免疫組織染色でX型コラーゲンが発現していることが確認された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Omori M., Takato T., Eguchi T., Mori Y., Tomizuka K.: "Secondary correction of wide nasal root of bilateral cleft-associated nasal deformity in Orientals."Scandinavian Journal of Plastic and Reconstructive Surgery and Hand Surgery. 37. 177-181 (2003)
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[Publications] Chung U: "Essential role of hypertrophic chondrocytes in endochondral bone development"Endocrine Journal. (in press). (2004)
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[Publications] Koizumi T., Hikiji H., Shin.WS., Takato T., Fukuda S.他4名: "Cell Dentistry and growth-dependent down-regulation of both intracellular calcium responses to agonist stimuli and expression of smooth-surfaced endoplasmic reticulum in MC3T3-E1 osteoblast-like cells"J Biol Chem. 278. 6433-6439 (2003)
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[Publications] 西條英人, 江口智明, 引地尚子, 高戸 毅, 中塚貴志: "顎矯正力を応用した家兎下顎骨延長法に関する実験的研究"日本形成外科学会会誌. 23. 574-581 (2003)