2003 Fiscal Year Annual Research Report
リドカインの2相性変化における細胞内カルシウムイオン動態の検討
Project/Area Number |
15592128
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 健一 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (90265174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 望 岩手医大学, 歯学部, 助手 (70285641)
佐藤 雅仁 岩手医大学, 歯学部, 助教授 (60215845)
城 茂治 岩手医大学, 歯学部, 教授 (20154411)
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Keywords | 血管平滑筋 / カルシウムイオン / リドカイン |
Research Abstract |
本年度では、Fura-2/AMを負荷したブタ舌動脈血管平滑筋にノルアドレナリン(以下:NA)、アドレナリン(以下:Ad)の受容体刺激薬を種々の濃度で投与し、等尺性収縮および細胞内カルシウムイオン(以下:[Ca^<2+>]i)濃度変化を同時測定した。 NA、Adともに10^<-7>,10^<-6>,10^<-5>,10^<-4>,10^<-3>Mおよび0.1,0.5,1.0,2.0,4.0,6.0,10.0,20.0uMの各濃度を投与して測定を行い、以下の結果が得られた。 (1)収縮張力および[Ca^<2+>]iは、NA、Adともに濃度依存的に増大することが示唆された。 (2)NA, Adによる舌動脈血管平滑筋の収縮は、[Ca^<2+>]iの増加が関与することが示唆された。 Ad刺激により[Ca^<2+>]iは、急峻に増加したのち速やかに減少したが、刺激前値より高値で維持され、収縮張力は急速に増加し、収縮状態で維持された。 さらに以下の条件でのAdを投与した時の収縮張力および[Ca^<2+>]i変化の測定を行った。 (1)カルシウムイオン(以下:Ca^<2+>)が細胞内貯蔵部位に存在し、細胞外液に存在しない場合 収縮張力は急峻に増加したのち、緩徐に減少し、[Ca^<2+>]iは一過性に増加したのち速やかに減少し静止時に戻った。 (2)Ca^<2+>が細胞内貯蔵部位および細胞外液のいずれにも存在しない場合 収縮張力および[Ca^<2+>]iの増加はみられなかった。 (3)Ca^<2+>が細胞内貯蔵部位には存在せず細胞外液に存在する場合 収縮張力および[Ca^<2+>]iは、緩徐に増加したのち一定値で持続相がみられた。 以上の結果より、Adによるブタ舌動脈血管平滑筋収縮において、一過性で急峻な[Ca^<2+>]iの増加を伴う初期相での急速な収縮の増大は、細胞内貯蔵部位からのCa^<2+>放出が関与し、その後の緩徐な[Ca^<2+>]i増加を伴う持続性収縮は細胞外からのCa^<2+>流入であることが示唆された。
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