2003 Fiscal Year Annual Research Report
PTH受容体転写促進因子の同定と口腔癌による顎骨吸収下におけるその機能解析
Project/Area Number |
15592130
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
川根 徹也 奥羽大学, 歯学部, 講師 (00265208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 登 奥羽大学, 歯学部, 教授 (00107294)
倉橋 出 奥羽大学, 歯学部, 助手 (40337259)
柳川 徹 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (10312852)
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Keywords | PTH / PTHrP receptor / osteoblast / PTHrP / transcriptional factor / gel mobility shift assay / promoter |
Research Abstract |
カルシウム代謝、さらには骨代謝において重要な役割を担う副甲状腺ホルモン受容体(PTH1R)の発現は、骨組織においては成熟骨芽細胞や前肥大軟骨細胞のみといったように時期的にも部位的にも厳密に制御されている。骨芽細胞では、PTHやPTHrPによる破骨細胞活性化因子の発現亢進を仲介することで骨吸収を促進する。本研究では、このPTH1R遺伝子上に作用してその遺伝子の発現調節に影響を与えるタンパク質のクローン化を試みたところ、以下のような結果が得られた。(1)以前の我々の研究で、何らかのタンパク質が結合することでPTH1Rプロモーター活性に強く影響する転写開始点付近の領域であるPTHSRの存在を示したが、この領域中の3つの塩基を変異させた約4kbのコンストラクトを作製したところ、変異の無い場合に比べプロモーター活性が激減した。これより、PTHSRに結合する何らかのタンパク質は、PTH1R遺伝子発現に重要な役割をしていると考えられた。(2)ビオチン化したPTHSRと骨芽細胞の核抽出物を反応させ、アビジン-アガロースカラムで精製して結合したタンパク質をSDS-PAGEで解析したところ、112kDaと129kDa付近に2本のバンドがみられた。また、PTHSRをプローブとして、精製したタンパク質についてゲルシフトアッセイを行ったところ、未精製の核抽出物を用いた場合と同じ位置にバンドがみられた。(3)SDS-PAGEで得られたバンドをMALDI-TOF MS/PMF解析してタンパク質の同定を行ったところ、2種類のタンパク質が候補として考えられた。このうちの1つは、転写因子としての機能を有していないタンパク質なので可能性は低いと考えられた。一方は機能が解析されていない、類似タンパク質として登録されているものであった。
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[Publications] Kawane, T., Mimura, J., Fujii-Kuriyama, Y., Yanagawa, T., Horiuchi, N: "Parathyroid hormone (PTH) down-regulates PTH/PTH-related protein receptor gene expression in UMR-106 osteoblast-like cells via a 3', 5'-cyclic adenosine monophosphate-dependent, protein kinase A-independent pathway."Journal of Endocrinology. 178・2. 247-256 (2003)