2005 Fiscal Year Annual Research Report
唾液中カンジダマンナン抗原測定による口腔カンジダ関連疾患の診断法開発
Project/Area Number |
15592136
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Research Institution | TOKYO DENTAL COLLEGE |
Principal Investigator |
高野 正行 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (50197117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿澤 卓 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (70085869)
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Keywords | 口腔カンジダ症 / カンジダマンナン / ELISA / 唾液検査 / 抗真菌剤 |
Research Abstract |
カンジダマンナン抗原はカンジダの細胞壁を構成する要素で,カンジダに特異な抗原であるため臨床において深部性真菌症の血清学的診断に用いられてきた.とくに感度の高いELISAを用いた検査が臨床でも応用されるようになりその診断精度は向上している.そこで唾液中のカンジダマンナン抗原を測定することにより,口腔カンジダ症の診断に応用できるのではないかと思われる.この研究の目的は口腔カンジダ症患者の唾液中のカンジダマンナン抗原を測定してその臨床診断の可能性について検討することである. 方法; 1)カンジダマンナン抗原測定 患者より1mlの無刺激性の全唾液を紙コップに採取(口腔全体から排出)、測定直前まで-30℃冷凍保存した. カンジダ抗原値はELISAを用いた高感度カンジダマンナン測定キット,ユニメディカンジダを用いて行った. 2)菌分離培養検査 検体採取および菌培養 口腔カンジダ症の診断には選択培地を用いて判定した. 滅菌綿棒にて病変部位(健常者は口腔全体)を擦過し,直にCHROMagar培地(関東科学)に塗抹37℃48時間培養後判定した. 結果:選択培地から分離されたカンジダ菌はC.albicans単独(45例),C.glabrata単独(3例),C.tropicalis単独(1例),C.albicans+C.glabrata(12例)であった.口腔カンジダ症群のCMA値の平均は2.48U/mLであったのに対し,健常者では菌種によるCMA値はC.albicans, C.tropicalis, C.glabrataの順に高かった. CMA値は抗真菌剤の使用後明らかに低下した.また1週間後よりも2週間後のほうが低値を示した. カットオフ値を0.6とすると感受性は88.5%特異性は100%であった. 結論:唾液中のカンジダマンナン抗原値を高感度ELISA法を用いて測定し、口腔カンジダ症ではカンジダマンナン抗原(CMA)値は高値を示し口腔カンジダ症の診断に用いる検査法として有用と考えられた. また抗真菌剤による治療により、自他覚症状の緩和とともにカンジダマンナン値は低下傾向を示し治療効果の判定にも有用と思われた.
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