2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15592143
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
西田 尚史 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (10350539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 和市 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (50200978)
古屋 宗孝 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (90318890)
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Keywords | preconditioning / myocardial protection / infarct size / sevoflurane / 5-hydroxydecanoate |
Research Abstract |
ウサギをKetamine/Xylazine全身麻酔下に開胸しIn vivo虚血再灌流モデルを作成した。虚血再灌流により生じる循環動態(hemodynamics)の変化、不整脈の発生頻度、種類および危険域(以下area at risk)、梗塞巣の大きさ(以下infarct size)を観察し、虚血によるpreconditioningを行う群とsevofluraneによるpreconditioningの群においてsevofluraneの曝露時間、濃度を変化させてsevofluraneの至適吸入条件を詳細に検討した。また、これらのデータをketamine, xylazine麻酔下のデータ(control群)と比較し、虚血およびsevofluraneによる心筋保護効果の効果比較検討した。 まず、初年度はセボフルランの投与時期の違いによる、心筋虚血再灌流障害への影響について、infarct sizeを指標にして検討した。30分の虚血、180分の再灌流を行ったものをcontrol群とし、sevofluraneを投与する時期により、虚血5分前、虚血直後、虚血5分後、再灌流5分前、再灌流直後、再灌流5分後にそれぞれ分類した。投与方法は、終末呼気濃度が5分後に3.9±0.07%(mean±SEM)の時点で投与を中止した。全群で再灌流が終了後、area at riskを同定するためにLADを再結紮しevans blueを投与した。直ちに心臓を摘出し、凍結後、スライス切片を作製し、TTC溶液にて染色後、infarct size、area at risk、非虚血部位をそれぞれコンピュータに取り込み、infarct size/area at risk(I/R)を算出した。実験の結果sevoflurane各群におけるI/Rは、それぞれ有意差は認められなかった。このことから本研究の実験条件において、sevofluraneによる心筋壊死縮小効果は認められないことが示唆された。 本年度は、sevofluraneの暴露時間、濃度の影響について検討した。虚血再灌流に先行し、sevoflurane(1.5%)30分間吸入、15分の洗浄を行った。さらに、これらの効果がmito-KATP channelのblockerである5-hydroxydecanoateで抑制されるか否か、更にはIPによる心筋壊死縮小効果に麻酔薬による心筋保護効果がadditiveに作用するか否かを検討した。実験の結果I/Rにおいて、sevoflurane群においてPharmacological preconditioning様の効果が認められた。また、この効果は5-hydroxydecanoateで抑制された。IPによる心筋壊死縮小効果にsevofluraneによる心筋保護効果がadditiveに作用するか否かを検討したところ、additiveな作用は認められなかった。
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