2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15592144
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
楊 淑華 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (80360220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上松 隆司 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 助教授 (40203476)
古澤 清文 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (90165481)
高橋 直之 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (90119222)
宇田川 信之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
小澤 英浩 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (60018413)
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Keywords | 歯周疾患 / 菌体成分 / リポ多糖 / 炎症性サイトカイン / Toll様受容体 / 骨吸収 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
菌体成分ムラミルジペプチド(MDP)が、破骨細胞の分化を促進することを明らかにした。MDPは、LPS(リポ多糖)や炎症性サイトカインであるTNFやIL-1が誘導する破骨細胞形成を増強したが、活性型ビタミンDやプロスタグランジンによる破骨細胞分化には作用しなかった。その主因として、MDPが、破骨細胞分化誘導因子RANKLの発現を亢進することを初代培養骨芽細胞において明らかにした。MDPは、LPSやTNF、IL-1が誘導するRANKLの発現を増強したが、活性型ビタミンDが誘導するRANKL発現には作用しなかった。一方、MDPは、破骨細胞分化抑制因子OPGの発現には関与していなかった。LPSの受容体TLR4を欠損した骨芽細胞において、MDPの作用が観察されたこと、TLRシグナルのアダプター因子TIRAPの欠損骨芽細胞で、同様にMDPの作用が観察されたことから、MDPは、TLR4やTIRAPに非依存的なシグナルを介していることを明らかにした。MDPシグナルにおいて、NOD2はMDPに対する細胞内受容体と考えられる。そこで、骨芽細胞におけるNOD2の発現を検討した結果、LPSやIL-1,TNFによって強力に発現することを明らかにした。この効果は、活性型ビタミンDでは観察されなかった。さらに、NOD2に対するRNAi(NOD2-RNAi)を骨芽細胞に強制発現させて、NOD2を欠損することを試みた。LPSによるRANKLの発現誘導をRT-PCR法で調べた結果、MDPによる増強効果のみがNOD2-RNAiによって抑制されることを明らかにした。以上の研究結果より、菌体成分MDPは、NOD2を介して骨芽細胞におけるRANKLの発現を増強し、LPSなどの炎症によって誘導される破骨細胞分化を促進していることを明らかにした。
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Research Products
(7 results)