2004 Fiscal Year Annual Research Report
生体信号を採得してブラキシズムと顎関節症との因果関係を明らかにする前向き疫学研究
Project/Area Number |
15592162
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
谷本 裕子 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20190754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 照子 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00127250)
宮脇 正一 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80295807)
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Keywords | ブラキシズム / 筋電図 / MRI / 変形性関節症 / 顎関節 / 顎関節症 / 関節円板前方転位 / 咀嚼運動 |
Research Abstract |
1.被験者の確保 本研究計画について倫理委員会の承認後、顎関節症に初めて罹患する可能性の高い年齢にある18歳から24歳までの最終学年以外の本学学生に対して、本研究の目的、方法等を十分説明し、本研究に同意した学生を被験者とした。 2.写真撮影、印象採得および顎口腔機能検査(1回目) 顔面・口腔内写真撮影および印象採得を行った後、ナソヘキサグラフシステムを用いて、3次元6自由度の下顎運動と咬筋浅部、側頭筋前部、および顎二腹筋前腹の筋活動を採得した。 3.咬合ならびに顎関節の診査と顎関節MRI検査(1回目) 咬合ならびに顎関節の問診・診査と顎関節MRI検査を行った。本診査およびMRI読影については、検者間でキャリブレーションを十分行い、検者2名(カッパ値>0.8)が行った。 4.睡眠時ブラキシズム検査(1回目) 被験者の自宅にて、簡易型テレメータ筋電図記録システムとビデオカメラを用いて、サンプリング周波数1KHzにて、口腔顔面運動、側頭筋前部の筋活動量、口腔顔面運動、歯ぎしり音、体位ならびに身体運動を同時記録した。検査は1週間隔にて2回実施し、再現性を確認した。第1夜効果の影響を考慮して、各検査の前日にダミーの簡易型テレメータを装着して就寝してもらった。 5.2回目検査 上記2〜4検査の1年後に、同じ検査を実施した。 6.検査データの解析 最近6か月間にブラキシズム、起床時における咀嚼筋の疲労感や違和感ならびに歯の咬耗のいずれも認めたことが無い者(正常者群)と、4回/時以上のブラキシズムエピソードと25回/時以上の筋活動バースト,さらに2回/晩以上の歯ぎしり音を有する者(ブラキシズム患者群)の2群に分類した。ブラキシズム解析ソフトウェアと音声・画像データを用いてブラキシズムエピソードをスコアリングし、その頻度と持続時間を算出し、2群間の比較を行った。その結果、ブラキシズム患者群のブラキシズムの頻度と持続時間は、正常者群のそれらと比べそれぞれ高く、長かった。1、2回目検査の結果の変化について、ブラキシズム患者群の方が正常者群より、関節円板前方転位あるいは変形性関節症の発現した割合が有意に高かった。このことより、睡眠時のブラキシズムは、顎関節症の原因のひとつであることが示唆された。
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