2004 Fiscal Year Annual Research Report
メカニカルストレスによる歯根膜細胞のアポトーシス誘導に関する研究
Project/Area Number |
15592163
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
坪井 佳子 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (50325122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 照子 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00127250)
菅原 康代 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70379775)
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Keywords | メカニカルストレス / 歯根膜細胞 / アポトーシス / マクロアレイ法 / クローン |
Research Abstract |
矯正治療上、抜歯が必要と診断された患者に実験の趣旨を説明して同意を得た後、同歯の歯根膜からアウトグロースした歯根膜初代培養細胞に対し、持続的伸展力を負荷した後、総RNAを回収・精製した。これらを用いて、マクロアレイ法にて遺伝子発現の差を網羅的に検討し、ストレスに反応して発現の変動を認めた遺伝子として、細胞膜上蛋白や、アポトーシス誘導遺伝子、あるいは細胞周期調節遺伝子等が挙げられた。これらの遺伝子のうち数種類を選択しquantitative RT-PCRにより定量的に遺伝子発現の差を調べた結果、マクロアレイ法で得られた結果が信頼できるものであることを確認した。 この実験の再現性を確認するため、異なる5人の患者から歯根膜を採取し同様に実験を行った。その結果、細胞膜上蛋白遺伝子の変動に関しては、いずれも同様の傾向を示したが、それ以外の遺伝子発現に明らかな再現性はないことがわかった。これは、ドナー間の差異、あるいは、多様な細胞集団を有する歯根膜の特性によるものと考えられた。 また、メカニカルストレスを付与した歯根膜の初代培養細胞に、実際にアポトーシスの実行が行われているかどうかを確認するため、DNA ladder detection法、TUNEL assayを行ったが、アポトーシスの所見は認められなかった。 更に、メカニカルストレスにより最も発現が誘導された遺伝子の発現経路を検討するため、ウエスタンブロット、及び阻害実験を行った。その結果、その遺伝子発現は、少なくともp38MAPKを介することがわかった。 現在、以上の内容について論文を作成中である。
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Research Products
(3 results)