2003 Fiscal Year Annual Research Report
未分化間葉系幹細胞を用いた人工歯根膜組織再生法の確立
Project/Area Number |
15592165
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
谷本 幸太郎 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20322240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹根 一夫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30159032)
本田 康文 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00335663)
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Keywords | 未分化間葉系幹細胞 / ヒアルロン酸 / RGD-CAP / 歯根膜細胞 |
Research Abstract |
これまでに、培養歯根膜細胞における増殖・分化に対する各種増殖因子や各種細胞外基質分子の影響を検討するとともに、その結果をもとに骨髄由来未分化間葉系幹細胞の増殖・分化に適した培養条件を検討するため、以下の項目について検討を行った。 1.未分化間葉系幹細胞の増殖・分化に対する各種増殖因子の影響;ウサギ骨髄より抽出した未分化間葉系幹細胞を3次元コラーゲンゲル上に播種し、培養を行うことに成功した。さらに、各種増殖因子存在下に培養を行い、増殖能および分化能を検討した。その結果、bFGF存在下において、未分化間葉系幹細胞は分化が抑制されるとともに、増殖能の向上が認められることが明らかとなった。また、TGF-β存在下では、未分化間葉系幹細胞から軟骨細胞への分化が達成されることが示された。 2.未分化間葉系幹細胞の分化・増殖に対する各種細胞外基質分子の影響;ウサギ歯根膜細胞に対するRGD-CAPの影響の検討では、RGD-CAPによる歯根膜細胞の石灰化抑制脳が明らかとなった。また、ヒアルロン酸の影響の検討では、細胞周囲のヒアルロン酸を分解することにより、歯根膜細胞の増殖が抑制されることが明らかとなり、その一方で、コラーゲン合成は亢進することが明らかとなった。そこで、RGD-CAPおよびHAS遺伝子の強制発現ベクターを用いて、各蛋白の強制発現を行わせた際の3次元コラーゲン上における歯根膜細胞および未分化間葉系幹細胞の増殖能・分化能を検討することとした。この目的のため、RGD-CAPおよびHAS2,HAS3遺伝子の解析を行った。各mRNAのクローニングを行った後、これを強制発現ベクターに形質転換し、目的蛋白の発現の確認に成功した。 今後は、以上の成果をふまえ、RGD-CAPおよびヒアルロン酸などの細胞外基質分子を媒介にした未分化間葉系幹細胞の増殖法を確立し、人工歯根膜の開発へと発展させていく。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Doi T, Ohno S, Tanimoto K, Honda K, Tanaka N, Ohno-Nakahara M, Yoneno K, Suzuki A, Nakatani Y, Ueki M, Tanne K.: "Mechanical stimuli enhances the expression of RGD-CAP/betaig-h3 in the periodontal ligament"Arch Oral Biol.. 48・8. 573-579 (2003)