2003 Fiscal Year Annual Research Report
顔面骨格パターン形成を制御する分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
15592171
|
Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
川上 正良 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (20244717)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和中 明生 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90210989)
|
Keywords | LIM homeobox遺伝子 / Lhx6 / Lhx8 / 顔面突起 / chick embryo / 組織パターン / 上皮-間葉系相互作用 / 形態発生 |
Research Abstract |
LIM homeobox遺伝子は、ひとつの個体が形成されるとき、その設計図となる遺伝情報であると考えられ、組織のパターン形成を司ることが明らかになっている。複雑な顔面骨格を形成する過程において、ボディープランの情報とされるLIM-homeobox遺伝子の働き、相互作用を解明することは、顎顔面の形態異常のメカニズムを知る手がかりとなるものである。本研究では、LIM-homeobox遺伝子のうち顎顔面領域に強く発現するLhx6とL3/Lhx8遺伝子が、顎顔面の形成過程でどのような働きをしているのか検討した。 ChickのLhx6とL3/Lhx8遺伝子プローブを作製し、chick embryoのWhole-mount in situ hybridizationを行った。Lhx6、L3/Lhx8ともに、顔面突起が形成されるStage14から顔面突起の癒合が完了するStage31まで、上顎突起と下顎突起に限局して発現していることが明らかとなった。しかも、両遺伝子の発現は、上皮直下の間葉組織に認められた。そこで、Lhx6とL3/Lhx8遺伝子発現における上皮組織の関与について、stage25上顎突起あるいは下顎突起を分離しchickのlimb bud上に移植後、移植組織上での両遺伝子の発現様相について検討した。その結果、上皮存在下ではLhx6とL3/Lhx8遺伝子ともに移植組織に発現が認められたが、上皮非存在下では発現が認められなかった。以上のことから、Lhx6あるいはL3/Lhx8遺伝子発現には、上皮-間葉系相互作用が深く関与していることが示唆された。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Hyomoto M, Kawakami M, Inoue M, Kirita T: "Clinical features of dentigerous cyst associated with the eruption of maxillary canines and mandibular premolars"American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics. 124. 515-520 (2003)
-
[Publications] 藤本昌紀, 山本一彦, 川上正良, 梶原淳久, 森崎 歩, 村上和宏, 舘林 茂, 桐田忠昭: "奈良県立医科大学口腔外科における20年間の口唇裂口蓋裂患者の臨床統計的検討"日本口蓋裂学会雑誌. 28. 238-249 (2003)
-
[Publications] Yagi, T., Kawakami, M., Takada, K.: "Surgical orthodontic correction of acromegaly with mandibular prognathism"Angle Orthodontist. 74. 125-131 (2004)
-
[Publications] Kawakami M, Yamamoto K, Noshi T, Miyawaki S, Kirita T: "Effect of surgical reduction of the tongue on dentofacial structure following mandibular setback"Journal of Oral and Maxillofacial Surgery. 62(in press). (2004)
-
[Publications] Kawakami M, Miyawaki S, Noguchi H, Kirita T: "Screw type implants used as anchorage for lingual orthodontic mechanics : A case of bimaxillary protrusion with second premolar extraction"Angle Orthodontist. 74(in press). (2004)