2005 Fiscal Year Annual Research Report
血清カルシウム降下因子カルデクリンを用いた歯科矯正治療の基礎的検討
Project/Area Number |
15592173
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
清村 多 明海大学, 歯学部, 助手 (10337503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真野 樹子 明海大学, 歯学部, 講師 (00333005)
友村 明人 明海大学, 歯学部, 教授 (60188810)
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Keywords | カルデクリン / プロテアーゼ / 骨代謝 / 血清カルシウム降下因子 |
Research Abstract |
血清カルシウム降下因子caldecrinは分子量28kのセリンプロテアーゼであり、in vitroにおいて破骨細胞の分化誘導、および骨吸収能の抑制効果を有することが明らかにされている。矯正歯科治療において、歯牙移動の際の骨のリモデリングは不可欠な現象であり、骨吸収を人為的にコントロールできれば治療効率の向上に寄与できると考えられる。そこでコイルスプリングを用いたラット臼歯歯牙移動モデルを確立し、移動対象歯近心の歯周組織にカルデクリン発現ベクターを導入し、組織学的な検討を行うことで、カルデクリンの歯牙移動抑制効果を明らかにすることを目的とした。また、カルデクリンの破骨細胞分化誘導抑制効果の詳細を検討する目的で、破骨細胞分化誘導時における転写因子レベルでの解析も合わせて行った。ラット臼歯近心移動時におけるカルデクリンの影響について、カルデクリン発現ベクターの導入効率にばらつきが見られ、かつ歯牙移動による近心移動変化量についても個体差が大き<、定量性および再現性が得られ難く、本実験による矯正治療応用の有効性を示すことは困難であった。In vitroでの検討では、CaldecrinがRANKL刺激による転写因子NFATc1の活性化とNFATc1 mRNAの発現上昇を抑制し、さらにcalcineurinの活性を抑制することが明らかとなった。これらの結果から、caldecrinは破骨細胞前駆細胞に作用し、Ca^<2+>/calcineurin系を介したNFATc1の活性化および発現の調節により破骨細胞分化誘導を抑制する可能性を示唆された。
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