2004 Fiscal Year Annual Research Report
小児に対する歯科用局所麻酔剤の安全性に関する臨床的研究
Project/Area Number |
15592174
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Research Institution | SHOWA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
井上 美津子 昭和大学, 歯学部, 助教授 (20112724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々 龍二 昭和大学, 歯学部, 教授 (20014201)
高木 裕三 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30124697)
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Keywords | 小児 / 歯科用局所麻酔剤 / 副作用 |
Research Abstract |
小児の歯科臨床において、無痛的かつ患児に負担の少ない治療を行うために局所麻酔の使用は必要不可欠である。しかし、小児に対する局所麻酔剤の安全性は確立されていない。そこで本研究では、小児に対する歯科用局所麻酔剤の使用実態と副作用の発現状況などを把握すべく調査を行った。研究代表者・分担者の所属する10大学を中心に全国の大学小児歯科および個人小児歯科診療所に調査を依頼し、回収された調査用紙の集計、分析を行った。結果は以下の通りである。 1.大学小児歯科から3,890名、小児歯科診療所から255名、計4,145名のデータが回収された。 2.対象者の年齢は0歳から20歳以上にまでわたっていたが、12歳以下が89.9%と大部分を占めていた。全身疾患を有する者が11.9%、アレルギーを有する者が7.5%みられた。また、以前に局所麻酔経験のない者は16.2%であった。 3.処置内容としては、レジン修復処置が最も多く、次いで乳歯の抜歯、歯髄処置の順であった。 4.表面麻酔薬は94.3%の者に使われており、局所麻酔薬剤としてはエピネフリン添加塩酸リドカインが最も多く用いられていた。薬剤投与量は1.0ml以内が71.0%を占めていた。 5.麻酔効果は著効・有効が93.6%であり、処置時間は30分以内が85.0%であった。処置終了後の麻痺感は81.2%にみられた。 6.術中の不快事項は108名(2.6%)にみられ、"痛み"や"違和感"などが多かった。"熟眠""軽い貧血""軽い呼吸困難"といった副作用を疑わせるものは各1例ずつであった。 7.術後の不快事項は109名(2.6%)にみられ、咬傷が最も多かった。"チアノーゼ""悪心""眠気""ボーッとしている"が各1例ずつみられた。
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Research Products
(1 results)