2004 Fiscal Year Annual Research Report
肥満によるTNF‐αの産生と2型糖尿病および歯周疾患との関係
Project/Area Number |
15592184
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
萩原 さつき 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (70134715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 和行 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90218298)
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Keywords | 2型糖尿病 / 歯周疾患の進行状態 / 肥満 |
Research Abstract |
本年度は、2型糖尿病と肥満と歯周疾患の進行状態との関係について研究を行った。 (目的)歯周疾患の進行と2型糖尿病の関係を知るために、糖尿病患者と非糖尿病患者における歯周疾患の進行状態を評価すること。(被験者と方法)被験者-歯学部附属病院に来院し協力が得られた64人の患者(2型糖尿病患者12人、非糖尿病患者52人)。研究方法-糖尿病の罹患状態として血糖値とHbA1c、肥満度(BMI)を求めた。歯周疾患の進行状態として歯周ポケットの深さ、ポケット測定後の歯肉からの出血および歯の動揺度、残存歯数、歯槽骨の吸収度を評価した。歯周ポケットは0〜3、4〜6、7mm以上の深さに分け、歯の動揺度は0,1,2,3度に分けてそれぞれの比率を計算した。歯槽骨の吸収度は、レントゲン写真上でSheiのscaleを用いて比率を計算した。 (結果)糖尿病患者は2型糖尿病で、薬剤による治療を受けていた。糖尿病患者のHbA1cは5.9%から10.7%で、12人中7人は7%以下であった。BMIの平均値は、糖尿病患者では22.3、非糖尿病患者では23.1であり、両者間に統計学的に有意な差は見られなかった。歯周疾患の進行状態では、歯周ポケットの深さが0〜3、4〜6、7mm以上の平均比率は、糖尿病患者では82.1、14.1、2.9%であり、非糖尿病患者では、86.7、11.8、1.6%であった。歯の動揺度を0、1、2、3度で分けた平均比率は、糖尿病患者では52.1、32.5、12.8、2.8%で、非糖尿病患者では55.2、31.2、12.5、0.9%であった。歯槽骨の吸収の平均比率は、糖尿病患者では22.1%であり、非糖尿病患者では19.2%であった。これらの歯周疾患の進行状態に関する結果において、糖尿病患者および非糖尿病患者の間に統計学的に有意な差は認められなかった。 (結論)この研究において、糖尿病愚者は血糖値のコントロールが良好であった。肥満度も非糖尿病患者と類似していた。また、両者において、歯周疾患の進行状態は類似していた。この結果から、血糖のコントロールを受けている糖尿病患者は非糖尿病患者と同様な歯周疾患の進行状態を示すことが示唆された。
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Research Products
(1 results)