2003 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織の破壊および再生におけるセメント芽細胞の役割・機能の解明
Project/Area Number |
15592185
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
野口 和行 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90218298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長澤 敏行 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90262203)
梅田 誠 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90193937)
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Keywords | マウス / セメント芽細胞 / IL-1α / PGE_2 / IL-6 / COX-2 |
Research Abstract |
歯周組織の破壊にprostaglandin(PG)E_2あるいはinterleukin(IL)-1,-6などの炎症性サイトカインの関与が明らかにされてきている。平成15年度は、マウスセメント芽細胞OC-CM30を用いてIL-1α刺激によるPGE_2産生およびIL-6産生について検討したので報告する。得られた結果として,1.IL-1α刺激によりOC-CM30は時間依存性にPGE_2を産生した。2.indomethacin(IND, COX-1/2阻害剤)およびNS-398(COX-2阻害剤)添加によりIL-1α誘導PGE_2産生は完全に抑制された。3.IL-1α刺激により、COX-2mRNA発現の亢進が進められた。4.IL-1α刺激により有意なIL-6産生の亢進が生じた。5.INDおよびNS-398添加によりIL-1α誘導IL-6産生が有意に抑制された。6.外因性のPGE_2添加により,IL-1α誘導IL-6産生が亢進した。IL-1αによって誘導されたPGE_2産生はCOX-2特異的阻害剤であるNS-398により完全に抑制され、またIL-1αによりCOX-2mRNA発現の亢進が認められたことから、OC-CM30におけるIL-1α誘導PGE_2産生はCOX-2に依存していることが明かとなった。OC-CM30ではIL-1α刺激によりIL-6も産生されたが、このIL-6産生はPG合成阻害剤により抑制を受け、外因性のPGE_2添加によりその産生が亢進したことから、IL-1α誘導IL-6産生はPGE_2によって調節されていることが示された。以上のことからセメント芽細胞は炎症性刺激によりPGE_2およびIL-6を産生し、歯周病変部の炎症・免疫反応を調節している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)