2004 Fiscal Year Annual Research Report
塩基性線維芽細胞増殖因子が歯槽骨リモデリングに及ぼす影響-破骨細胞の活性化制御を中心として-
Project/Area Number |
15592186
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐保 輝之 大阪大学, 歯学部附属病院, 助手 (10263295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 伸也 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70239490)
島袋 善夫 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (50231361)
北村 正博 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (10243247)
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Keywords | FGF-2 / 破骨細胞 / TRAP / RAW264 / RANKL / OPG |
Research Abstract |
昨年度に引き続き歯周組織での破骨細胞形成調節機構におけるFGF-2の役割を解明することを目的として実験を行った。昨年度の結果よりFGF-2はマウスマクロファージ様細胞株RAW264の破骨細胞への分化過程において直接的な影響を及ぼさないことが明らかとなったことから、本年度は歯根膜および歯肉の主要な構成細胞である歯根膜細胞と歯肉線維芽細胞に着目し、FGF-2が歯根膜細胞および歯肉線維芽細胞のRANKL、RANK並びにOPGを介するRAW264の破骨細胞形成過程に与える影響を解明するために、歯根膜細胞および歯肉線維芽細胞におけるRANKL、OPG発現を検討した。方法としてマウス歯根膜細胞株MPDL-22並びに歯肉線維芽細胞株MG/B6をFGF-2にて刺激培養後、全RNAを抽出しRANKL及びOPGの各mRNA発現の増減を検索した。その結果、FGF-2で刺激培養されたMPDL-22並びにMG/B6は共にOPGとRANKL mRNAの発現の上昇を認めた。そこでさらに破骨細胞への分化過程におけるFGF-2の間接的な作用を検討するためにFGF-2刺激MPDL-22並びにMG/B6の培養上清を破骨細胞分化培養系に添加することにより破骨細胞形成過程あるいは分化誘導された成熟破骨細胞に及ぼす影響をTRAP染色にて評価した。その結果、FGF-2刺激MPDL-22並びにMG/B6培養上清を添加することにより破骨細胞形成が抑制された。しかしながら破骨細胞の成熟過程には影響は認められなかった。またFGF-2刺激MPDL-22培養上清による破骨細胞形成抑制効果は抗-OPG抗体により阻害された。 以上の結果より、FGF-2刺激により活性化された歯根膜細胞及び歯肉線維芽細胞の産生するOPGがRANKLと競合することにより、RANKL-RANK経路による破骨細胞形成過程を抑制する可能性が示唆された。
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