2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヘルトビッヒ上皮鞘細胞の発現するセメント質形成誘導因子の検索
Project/Area Number |
15592191
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大石 慶二 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00253211)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木戸 淳一 徳島大学, 歯学部, 助教授 (10195315)
|
Keywords | ヘルトビッヒ上皮鞘 / 細胞外基質蛋白 / 基底膜 |
Research Abstract |
この研究の本年度の目標は、ヘルトビッヒ上皮鞘(HERS)細胞の合成する細胞外基質蛋白を確認することと、培養条件下で基底膜様の構造を形成するか確認することである。 まずマウス歯胚よりHERS細胞を分離し、細胞からRNAを抽出してRT-PCRを行い、細胞の発現する細胞外基質を検索した。また、我々の樹立した不死化HERS細胞を培養し、同様にRT-PCRで細胞の発現する細胞外基質を検索した。その結果、両者はラミニン、タイプIVコラーゲンを発現していることが確認された。 次にこれらの細胞を各種細胞外基質でコーティングした培養プレート上にまいて培養した。培養後、細胞からRNAを抽出してRT-PCRを行い、ラミニン、タイプIVコラーゲンの発現量を比較した。その結果、初代培養HERS細胞では、どのコーティングプレート上でも活発に増殖し、各マーカーの発現量に大きな変化は見られなかった。不死化HERS細胞でも同様の結果であった。 これらの結果から、扱いの容易な不死化HERS細胞をその後の実験に用いることとし、この細胞が培養条件下で基底膜様構造を形成するか、実験を始めた。しかし、冷凍保存器の不具合により不死化HERS細胞の保存株が死滅し、実験は中断せざるを得なかった。 現在、初代培養HERS細胞を使って実験を再開したところである。 これらの結果より、培養HERS細胞が基底膜の成分として知られている細胞外基質蛋白を実験条件下で発現していることが確認された。今後これらの蛋白が基底膜を形成しているかどうか確認する予定である。
|