2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15592194
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
園木 一男 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (50316155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 豊 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40163208)
横田 誠 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40107298)
内藤 徹 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (10244782)
村岡 宏祐 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (80382422)
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Keywords | 歯周病 / 脳卒中 / 動脈硬化 / 頚動脈エコー検査 / 頭部MRI検査 |
Research Abstract |
脳卒中と歯周病との因果関係を前向き介入試験で明らかにするため、平成15年度、同意がとれた歯周病患者13名に対し、歯周病評価及び頚動脈エコー検査、頭部MRI検査及び空腹時採血、病歴聴取を行い、その後、歯周病治療を開始した。平成16年度および平成17年度は歯周病治療後の再評価として、再度、歯周病評価及び頚動脈エコー検査、頭部MRI検査及び空腹時採血、病歴聴取を施行した。平成15年度にエントリーした患者の内、3名がdrop outしたが、平成16年度に3名を新たにエントリーした。平成17年度までにさらに1名がdrop outし、今回、残りの12名(男性2名、女性10名)の平成15、16、17年の3年間、3ポイントのデータをFriedmanの検定で解析した。 歯周病評価では、残存歯数は19.2本から20.2本へと有意に増加し、インプラント治療が行われた。pocket depth(PD)が6mm以上あるいは4mm以上の部位数、bleeding on probing(BOP)はいずれも1年後より有意な低下を認め、2年後もよく保たれていた。 空腹時採血では、白血球数が低下し、Hbが上昇し、γGTPが低下した。頚動脈エコーの総頚動脈の内膜中膜厚(IMT)は、左総頚動脈の最大IMT値が2年間で有意に増加した。また右総頚動脈の最大IMT値は、単回帰分析では性別、PD4mm以上の部位数、白血球数、空腹時血糖、HbAlcとの関係が認められ、これらで重回帰分析するとHbAlcとの関係が残った。頭部MRIでは、平成15年時にすでに動脈硬化性変化を5名認めたが、内1名は1年後改善し、2年後まで変わらなかった(改善群)。残り4名は2年後まで不変であった(不変群)。1年後新たに動脈硬化性変化が2名に出現し、2年後まで変化しなかった(悪化群)。改善群、悪化群においても歯周病は治療によって改善しているため、頭部MRIの変化と歯周病治療の間に一定の関係はなかった。 以上、平成15年度より2年間、計12名の歯周病患者に対して歯周病治療を行い、同時に頭部MRIと頚動脈エコーを施行し、脳卒中との関係を探ったが、これらの検査の変化からは歯周病治療の影響は見いだせなかった。
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Research Products
(2 results)