2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15592211
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
長田 恵美 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (00304816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北田 勝浩 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90195264)
伊藤 博夫 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40213079)
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Keywords | デンタルプラーク / 感染性心内膜炎 / Streptococcus oralis / 歯性病巣感染症 / 歯垢 |
Research Abstract |
今年度はラット実験モデルにおけるヒト歯肉縁上プラークの感染性心内膜炎誘発能の検討、実験モデルにおいて感染疣贅から高頻度に検出された菌を用いての再感染実験、感染疣贅を認めたラット、およびカテーテル挿入後にヒト歯肉縁上プラークを播種して死亡したラットの病理組織学的検索を行った。 3種類のヒト歯肉縁上プラーク(A、B、C)を用いて感染性心内膜炎誘発実験を行ったところ、ラットの生存率はそれぞれ25.0%(12匹中3匹)、57.1%(7匹中4匹)、100%(8匹中8匹)、計55.6%(27匹中15匹)であった。生存ラットにおいて感染疣贅の形成率は、それぞれ100%(3匹中3匹)、100%(4匹中4匹)、87.5%(8匹中7匹)、計93.3%(15匹中14匹)であった。検索した感染疣贅(14サンプル)全てからStreptococcus oralisが検出された。播種したヒト歯肉縁上プラークと異なり、感染疣贅中の菌の構成はきわめて単純化していた。感染疣贅から回収されたS.oralis(10^6 CFU/ラット)を用いて再び感染性心内膜炎誘発実験を行ったところ、その誘発率は100%であった。感染疣贅を認めたラット、およびカテーテル挿入後にヒト歯肉縁上プラークを播種して死亡したラットの大動脈弁部にフィブリン様の血栓が認められ、その内部には好中球の浸潤をともなった細菌塊が存在した。好中球はさらに大動脈弁や近接する大動脈壁に浸潤していた。心筋内には膿瘍が存在していた。死亡したラットの腎臓には膿瘍が認められた。以上よりカテーテル挿入後にヒト歯肉縁上プラークを播種して死亡したラットの死因は感染性心内膜炎と敗血症による心不全と診断された。ラット実験モデルにおいてヒト歯肉縁上プラークが感染性心内膜炎を誘発したことより、ヒト歯肉縁上プラークの潜在的病原性が確認された。
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Research Products
(1 results)