2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15592218
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Research Institution | Nippon Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 勉 日本歯科大学, 歯学部, 助教授 (60130671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 とも子 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (70307958)
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Keywords | フッ素 / fluoridation / 浄水器 |
Research Abstract |
フッ化物を応用した齲蝕予防法は、全身応用と局所応用とに分類される。前者には水道水のフッ化物濃度調整(fluoridation)があり、公衆衛生学的有用性の高いことがよく知られている。我が国においても、地域住民の合意等を前提にfluoridationの実施が可能となった(2000年、厚生労働省)。一方、国民においては安全な水の供給に関心が高まっており、独自に浄水器を設置する家庭が増加している。したがってfluoridationが実施された場合、浄水器通過後のフッ素イオン(F)濃度を検討する必要がある。本研究では家庭用浄水器に最も多く使用されている2種類の濾材を用いて浄水装置を作製し、F濃度に及ぼす影響を検討した。 使用した浄水器は家庭用浄水器の濾材として用いられている活性炭と中空糸を用い、作成した簡易の装置である。試験溶液には種々のF濃度(0.1〜10mg/L)になるように調製したNaFを添加した蒸留水および水道水を用いた。各試験溶液を通常の使用時水圧に準じて浄水装置を通過させ、通過後のF濃度を測定した。F濃度はF電極を用いて直読法で測定した。 活性炭を用いた浄水装置通過後のF濃度は、すべての試験溶液で通過量10Lまでは浄水前の1/10前後の濃度であった。その後通過量が多くなるにしたがって、F濃度は上昇する傾向にあった。中空糸を用いた浄水装置では通過前後のF濃度に変化がみられなかった。 以上より、活性炭を使用した家庭用浄水器はfluoridation後の水道水中のF濃度に影響を及ぼすことが明らかになった。従って、fluoridationによる齲蝕予防効果を確実にするためには、使用する浄水器の種類を考慮する必要があることが示された。現在F以外の陰・陽イオンについても検討中である。
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