2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15592229
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
石津 みゑ子 国立大学法人浜松医科大学, 医学部, 教授 (50258985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米澤 弘恵 福井大学, 医学部, 教授 (90258989)
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Keywords | 主観的睡眠感 / 生活リズム / 在宅高齢者 / アクチグラフ |
Research Abstract |
研究課題に対する今年度の研究目的と計画は、まず、高齢者から本研究に参加・協力を得ることが困難な状況であった昨年度の対象者の選定地域に関して再検討することであった。その上で、主観的睡眠感が不良な在宅高齢者のうち、本研究に参加・協力の了解が得られた人を対象にアクチグラフを装着し、睡眠の客観的データを得ること。また、主観的睡眠感不良の高齢者は、どのような生活習慣、あるいは生活リズムのなかで生活しているのかを明らかにすることを目的とした。 その結果、対象者の選定地域の検討については、研究代表者、および研究分担者の勤務する大学周辺の市町村に拡大して検討したが、データ収集可能な時期と気象状況との関連、および対象者の都合が良い時期とがうまく合致しないことから、H市在住の高齢者を対象とすることとなった。 対象者は12人であった。平均年齢は70歳から86歳に分布し78.0±5.9歳であり、女性7人(58.4%)、男性5人(41.6%)であった。対象者の老研式活動能力指標の手段的自立(得点レンジ0〜5点)では平均4.8±.4点、知的能動性(得点レンジ0〜4点)は3.8±.4点、社会的役割(得点レンジ0〜4点)も3.8±.4点で自立度の高さが示された。運動習慣は4〜5日/週以上の運動をしている人がほとんどであった。主観的睡眠感(得点レンジ20〜80点)は、28〜74点に分布し平均55±16.7点と主観的睡眠感が顕著に不良の人々ではなかった。主観的睡眠感得点が28点と低く、また過去1年間の不眠で苦しんだ経験が週に2〜3日程度あったと回答した高齢者のアクチグラフの結果をみると、一日6時間の睡眠時間中に平均1〜2回のWake Episodesが観察された。これとは逆に、主観的睡眠感得点が74点と良好であるのにアクチグラフでは一日の睡眠時間中のほとんどにおいて体動がみられ、Wake Episodesも平均2〜3回観察された。 以上のことから、データ数が少ないという限界があるが、睡眠の主観的評価と客観的評価とは、相関するとは言い得ない結果が示されたと言えよう。
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