2005 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚の清潔ならびに皮膚生理機能を維持するための看護ケアに関する基礎的研究
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15592242
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
佐伯 由香 福岡県立大学, 看護学部, 教授 (70211927)
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Keywords | 角層水分量 / 油分量 / 経表皮水分蒸散量 / 医療用粘着テープ / 皮膚保護剤 / 接触圧 / ATP活性 |
Research Abstract |
今年度は昨年度の実験を追加すると共に、さらに皮膚保護剤の効果を検討した。 1.昨年度行っていた清拭時の皮膚を擦る強さと回数を変えた際の皮膚生理機能(経表皮水分蒸散量TEWL)、清浄度(ATP活性)への影響に関して、データ数を追加しN=20とした。頸部では、TEWLは増加し、ATP活性は減少する傾向がみられたが、その程度は拭く強さや回数において有意な差はみられなかった。前腕手掌側では強く拭いた方が、また背部では拭く回数を多くするとATP活性の減少は大きかったが、同時にTEWLも強さに応じて有意に増加した。下腿腹側部は強く拭くあるいは回数を増やすとTEWLの増加とATPの減少がより大きくなった。以上の結果より、通常より強く拭くあるいは回数を多くすると清浄度は上がる反面、皮膚のバリア機能は低下し、この変化は身体の部位によって異なることが示唆された。したがって、拭く部位や対象者の皮膚の状態に応じて拭く強さや回数を考慮する必要があると考えられた。 2.初年度に医療用粘着テープの貼付で皮膚のバリア機能が障害されることを明らかにした。そこで、テープ貼用前に皮膚保護剤を使用することによって、バリア機能への影響が変わるか否か検討しテープストリッピング(前腕手掌部、30回)のみを行うとTEWLは有意な増加を示し、15分後も有意に増加したままであった。皮膚保護クリーム(デルマシールド)を塗布した後に同様にテープストリッピングを行うと、TEWLは増加傾向を示すものの有意ではなく、ストリッピング5分後には塗布前値に戻っていた。このことから医療用粘着テープを使用する場合、皮膚保護剤を先に使用することによって皮膚バリア機能が維持される可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)